ブラコン夢
□長女の物語
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《長女視点》
弥くんとリビングでゲームして遊んでいたら、雅臣さんが声をかけてきた。
「空さん、弥、そろそろ夕飯だよ〜。」
「あ、はい!ありがとうございます!じゃあ弥くん、そろそろ終わりにしようか。」
「うん!今度はまーくんも一緒にやろうね!!」
「そうだね。雅臣さんも今度は一緒にやりましょうよ。」
「あはは…。僕はゲームニガテだけど、それでもいいなら喜んで。ほら、一緒に夕飯の支度をしようか。」
「「はーい!!」」
私と弥くんは仲良く声を揃えて、お皿をテーブルに並べ始めた。
……ああそうだ。忘れてた。
「雅臣さん」
私が声をかけると、雅臣さんはいつもの優しそうな笑顔で振り向いた。
「なにかな?空さん。」
「私のこと、さん付けじゃなくていいですよ。年下ですし。ちゃん付けでも呼び捨てでもあだ名でもなんでもいいですよ。」
どうしても呼び方が気になっていたんだよね。これですっきりした。
そう言うと雅臣さんは、びっくりした表情のあと、
「…そう?じゃあ…"空"って呼ばせてもらうよ。僕の事も好きに呼んでくれていいよ」
と言ってくれた。
「じゃあなんて呼ぼうかな〜。」
「あんまり変なのにしないでね?」
「そんなことしませんよ!もうっ!!」
「雅臣兄さん、空さん、夕飯の支度ができましたよ。皆を呼んできてください。」
そんなことを言っている内に、夕飯ができてしまったようだ。テーブルの方を見ると、弥くんが椅子に座って待っていた。
「あ、すみません!今皆を呼んできます。」
「空、僕も一緒に行くよ。」
と、雅臣さんは言ってくれたけど…
「大丈夫ですよ!弥くんと一緒に待っていて下さい。」
「そう?じゃあお願いするよ。」
「はい!任せてください。じゃあ行ってきます!」
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「待ってください、空さん。」
「あ、右京さん」
右京さんがなんでここに?
「あなたがまだ会っていない兄弟もいるので…。私が呼んできます。」
「え!?いえいえ、ここまで来ちゃったので一緒に行きますよ?」
「おや…ありがとうございます。」
「それから、私のこと、好きに呼んでいいですよ。」
「では…空と呼びます。」
呼び方が雅臣さんと同じですこし笑ってしまった。
「…?どうしたのですか?」
「いえいえなんでも無いです!!はやく行きましょう!」
「?そうですね。」
こうして私は右京さんと並んで歩いた。