マギ

□5夜 チーシャン
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『おっ、あのでっかい搭が【迷宮(ダンジョン)】か』

〈そうだな
あれは………アモンだな………〉

『アモン?』

〈ジンの名前だ〉

『へぇ…どんなやつなんだ?』

〈秘密だ
教えたら楽しみが無くなるだろ?〉

『……そうだな……
んじゃ、一旦降りて情報集めでもするか』

〈その方がよい〉


オレは地上に降りて歩き回る


通路にある立て札に都市名が彫ってあった


『へぇ…ここはチーシャンっていうのか………』


文字の勉強しててよかった


「お、若いの買い物かい?」

話しかけてきたのは二人の老父

『ああ
ついでに情報集めもな』

「そうかい
どんな情報を集めてるんじゃ?」

『【迷宮】の情報
ここに迷宮が出たって噂を聞いたんだけど………あってる?』

「ああ、あっているよ」

『なあ、今まで誰が挑戦したかわかるか?』

「さぁなぁ………何万という人間が挑戦したが誰も出てこなかったと聞いたが………」

『そっか、ありがとう!』

「若いの何か買っていきな」

『んじゃ………リンゴを10個!』

「リンゴかい?ちょっとまちな…

全部で1000ディナールだ」

『1000ね…………
はい!ちょうど1000ディナール!』

オレは財布からお金を取り出して老父に渡した

『あ、おじいさん達!』

「ん?」

『いい情報をありがとう!』

オレは去り際にそう言った




『攻略者の出ない迷宮かぁ…………
オレの好奇心がくすぐるぜ!』

シャクッ

『うまっ!チーシャンのリンゴうまっ!』

シャクシャク…………

『アモンかぁ…………早く行こうかなぁ〜
でもなぁ〜チーシャンの探検したいしなぁ〜』

ドンッ

「!!」

『おっと…ごめんよ、お兄さん…』

やっべっ!迷宮に気をとられてて前見てなかった( ̄▽ ̄;)

ぶつかってしまったのは大きな袋を担いでいる黄色い髪の少年

オレより年上だろうか…

『ごめんよ、お兄さん
荷物は大丈夫かい?』

「………あぁ、大丈夫だ
ちゃんと前向いて歩けよ
あとスリには気を付けろよ?」

『お、忠告ありがとう!
お礼にさっき買ったリンゴやるよ!
荷物を置いた後に食うとすっげーウマイぜ!』

「ああ、知ってる
ありがとうな」

『んじゃ、またな』

オレは優しいお兄さんに別れを言って歩きながらリンゴにかじり付いた

あー………うまっ!





「あいつも【迷宮】を狙っているのか…………?」

大きな袋を担いでいる黄色髪の少年はカイを見てそう呟いた
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