マギ

□6夜 不思議な出会い
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『よし、2日目のチーシャン探索にいくか!』

オレは宿を出て再びチーシャン巡りを始めた



まずは………リンゴだな!



リンゴ♪リンゴ♪おいしーリンゴ♪





リンゴを求めてオレはチーシャンの街を歩く





なのに……











『売り切れ!?』

果物を売っているすべての商店からリンゴが消えていた

「すまないねぇ〜
ブーデル様がお食べになられるからって使いの者がすべて買ってしまってね
次は数ヶ月先なんだよ」

『……マジかぁ……』

うわぁスッゲー落ち込む……

誰だよ、ブーデルって!

ってかどんだけ食いじがはってるんだよ!


よし、決めた!!

そいつにあったらリンゴを半分もらってやろう!!

全部食ってたらワンパン入れてやろう!

待ってろよ、ブーデル!!


オレは顔も知らないブーデルに闘志を燃やす


「代わりといっては何だか……」

『ん?』


主人が見せたものは大きな果実

緑に濃い緑のギザギザラインが入っている

『これは……?』

「あれ?知らないのかい?」

『……はじめてみた……』

「珍しいな

これはスイカっていうんだ
赤い実は甘くて美味しいんだ。」

『実が赤くて甘い?』

「ああ!」

『うわっスッゲー気になる!
それ一個!』

「はいよ
500ディナールだ」

リンゴより高いな……

ま、いっか!

どんな味かなぁ……

『はい!
500ディナールちょうど!』

「まいどあり!」


オレは主人からスイカを受け取った


案外重いな( ̄▽ ̄;)


さて……どこで食べよう……

おっ、いいところはっけーん!

オレは走って高台に向かった












『おー……絶景絶景』

見渡す限りチーシャンの街並みがひろがっていて、左を見ると迷宮(ダンジョン)がそびえたっている

『よっと………』

オレは塀に腰をおろした

『……これ……どうやって食べたらいいんだろう……?』

みた感じ皮が固そう

〈スイカは割って食べると聞いたぞ〉

『割る?
どうやって?』

〈棒を使って叩き割るんだ〉

『うわっなんかスッゴいな
叩き割るって言われても……棒ないよ?』

〈だったら壁を使って割ればいい
手刀という手もあるぞ?〉

『手刀……なんかかっこいいな!

やってみよ!!

せりゃ!』



ゴッ!




『…………………………いったぁぁぁぁぁ(泣)』

〈大丈夫か?〉

『大丈夫なわけないじゃん
スッゲー痛い(泣)』

〈本当にするとは思わなかった……
ところで割れたか?〉

『なわけないじゃん』

スイカは買ったときと同じように丸々している

『壁じゃないが塀で割るか……

せーのっ!』

グシャッ

『おっ!!
割れた割れた!!』

塀に赤い汁がついているが気にしない!!

『よっ!』

メリッ

『かったっ!』

メリメリメリッ

『おーーーーーー!!
まっかっかっ!!
うまそー!!』

オレは小さくなった方のスイカにかぶりつく


『…………あまっ!
ってかうまっ!』

シャクシャクシャク……

『ん?』

下が騒がしい……?

「ガキ二人が奴隷の鎖を切ったらしいぜ!」

「マジかよ!見に行こうぜ!」

『おっ何か面白いことが起こる気がする!』


オレは立ち上がって食べていたスイカを塀に置いた

『これ、食べていいからね!』

オレは背後に隠れている人物に聞こえるように言って飛び降りた

そっからは浮遊魔法ですいすいーと


『おっほw
何か面白いことしてるw』

下を見ると肥えた男が黄色髪の少年と青髪でみつあみの少年にギャーギャーいっている

少年の後ろには座り込んだ少女

足には切れた鎖

『あれが……』

〈ああ、あの少女は奴隷だ〉

『腐った世の中だな

よし!少年達に加勢しよう!』

〈いいのか?〉

『もちっ!
何か面白いことか始まりそうだからな!』

〈そうか
ならやってこい!〉

『おうよ!』

オレは高度を落としていく

『よっと』

すたっ

「なっ!」

『着地成功!
お兄さん、加勢するよ』

降り立った場所は細路地の前で少年達の逃げ道になったであろう場所

『前後から敵か……

さてと……』

チャキッ

オレは素早く杖を構える


『威力は下げておくね!

雷電(ラムズ)〉!』


ピシャシャッ!!


凄まじい量の稲妻が地面に当たって大量の敵を麻痺させた

しかし、それは一瞬

ものすごい血相の男どもが黄色髪の少年の腕を掴んだ

「つ、捕まったーーーーーー!!」

『〈雷電(ラムズ)〉!』

「っ!!
このガキっ!!」

ぶんっ

『!!』

バチッ!!

「なっ!?壁!?」

『あぶねー……魔導師じゃなかったらやばかったぁ……』

「小賢しい真似を!!
だがっ!」

「いやだーっ!!
こんなとこで……」

『ヤベッ!
お兄さんッ!!』

「すきあり!」

ゴッ

『!!』

後頭部に重い一撃

『いってぇなぁ!!!』

オレは素早く振りかえる


バキッ


そしてオレを撲ったであろう男の顔面にワンパンいれた

「こんなとこで終わってたまるか!
これから俺は……」

『!!』

やっべっ!!

押し切れない!!

オレは内心あきらめt[ピィーーー!!]

!?

笛の音っ!?

グンッ!

『なっ!!?』

〈!!これはっ!!〉

『青い巨人っ!?』

〈まさかここで出会えるとはっ!!〉

『知ってるの?』

〈ああ!珍しいお方だ!
話は迷宮で?
わかりました!
カイ、そのままそのお方の肩に乗せてもらっておけ!
いいな!!〉

『あ、ああ』

オレがライズと話している間に話は進んでいた

「行こうっアラジン迷宮へ!!!」

へぇ……青髪でみつあみの少年はアラジンっていうのか……


「ところで……」

「?」

『?』

「てめーは誰だ!」

黄色髪の少年はオレを指差した

『あ、自己紹介してなかったね
オレはカイ
魔導師で旅人さ』

「魔導師……
だからさっき……」

『あ、見ちゃったパターンだね
まあ、いいや
ところで体は大丈夫かい?
あいつらにかなり捕まれてたけど』

「大丈夫だ
あれで怪我するほどやわじゃねぇ」

『ならよかった
んじゃ、二人の自己紹介よろ』

「あ、ああ

俺はアリババ!
迷宮(ダンジョン)攻略】が夢だ」

「僕はアラジン!
んでこっちが友達のウーゴくん
みんなは“ジン”って呼んでるよ」

『よろしくな!』

「お前、これからどうするんだ?
俺たちについてきてるけど……
迷宮に行くのか?」

『カイって呼んでくれ!
ああ!二人も行くんだろ?』

「ああ!」

『んじゃ一緒に攻略しようぜ!』

「そうだね!
多い方が楽しいしね!」

『んじゃ決まり!
これからよろしくな!アリババくん、アラジンくん!』

「呼び捨てでいいぜ、カイ!」

「僕もだよ、カイくん!」

『わかった!よろしくな、アラジン、アリババ!』

「「こちらこそ!!」」




チチチ……

オレたちを包みこむルフがお互いの出会いを祝福するかのように鳴いた
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