マギ

□7夜 迷宮へ!
1ページ/1ページ

「おまわりさんたち、もう見えないね!」

『てか、【迷宮(ダンジョン)】近っ!!』


「あたりまえだろ!
あ、おい!見ろっアラジン、カイ、【迷宮】の入り口だ!!」

『おっほ!スッゲーな!!
アレが迷宮の聖門かぁ………』


※迷宮の聖門
各迷宮に必ず一つだけある入り口の門
半円柱形のゲートに黄金色に発光する薄い粘膜のようなものが張ってある


『オレはそれを見ていない(ボソッ』

「何かいったか?」

『いや、別に』

「そうか?
あの膜に指一本でも触れたが最後、挑戦者は強制的に迷宮の中に引きずり込まれちまう!!そして、ほとんどの者は帰ってこれねぇ…!!

まさに“死への入り口”なんだ…!!」

『それを生きて帰ってきたオレ(ボソッ』

「何かいったか?」

『別に?』

「そうか?
ど、どれ………ちょっと様子を見………『!!あ、アラジン!止まれ!』…え?」

ドフッ

「!!」

ベチャッ

『あ…( ̄▽ ̄;)』

「アッ( ̄▽ ̄;)」

ズブブッ

「あーーーーーーーっっ!!!」

吸い込まれた…

『よし、いくか』

ピトッ

ズブブッ

右腕が膜に引きずり込まれた

それからは早かった

一瞬で全身が迷宮に引きずり込まれた






カッ






一瞬の光


目を開けるとそこにはライズの時にも見た景色が広がっていた



いつ見ても綺麗だな…

それにどこか懐かしい………





































………何も見えない………









………何も感じない………









息も出来ない………







!?

息!?


苦しい…っ

空気!!!




『ガボガボッ


ぷはっっ!!

はあっ!!』


オレの体は酸素を求めてる


それはわかってる


でも


『!!

げほっ!
げほげほっ………

はぁはぁ………』



呼吸が追い付かない


落ち着け………

落ち着くんだ、オレ………


『………………はぁぁぁ………』

よし、落ち着いた

まさかいきなり水攻めとは思わなかった………


アラジンたちはもう着いたんだろうか………


わからない


一旦服を乾かそう………


このままいたら風邪をひいちまう………


バシャバシャ………


『ここがアモンの迷宮………

スタート地点は同じ?

いや………違う………壁画がない…』

よく見れば壁は岩でゴツゴツしていて所々苔みたいなものが生えている


「あっ、おーい!」

『!!
アラジン!?』

「オレもいるぜ」

『アリババも!?
ってことはオレが最後か』

「だな
でも、お前早かったな
アラジンはオレが来る前から乾いてたけど、まだオレの服は濡れてるぜ?」

『時間差が出来たのか………』

「そうなるな
んでよ!お前もこっちにこい!
スッゲーものが見れるぜ!!」

『スッゲーもの?』

アリババとアラジンがオレの手を引っ張る



カッ

『まぶしっ』

オレはとっさに目を閉じる

それからゆっくりと目を開ける

『!!』

オレは目の前に広がる光景に息を飲んだ

「なっ?スッゲーだろ?」

『ああ!
これはオレの冒険心がくすぐられるぜ!』

「だろ!?
お前が来る前にアラジンにいったんだけど、さっきの泉がスタート地点だったんだ」

『スタート地点?』

「えっ!?お前も知らねーの!?」

『悪かったな』

「かの有名なシンドバッドの冒険書によると………」

※シンドバッドの冒険書
14年前に出現した迷宮を攻略した少年が書いた書物
迷宮について詳しく書かれている


〔迷宮の門をくぐると、光の柱を抜け、スタート地点へ飛ばされた。
正しい道を選び進むと、ゴールの宝物庫が待っている。
そこには、財宝と「ジンの金属器」が納めてある。

〜「シンドバッドの冒険書」より〕


『へぇ〜
んじゃ、オレたちが欲しいものを手に入れるには、ゴールを目指したらいいってことか』

「そういうことだ!」

「でも、入り口のような穴がたくさんありすぎて…どれを選べばいいのか………迷っちゃうね
ね、アリババくん、カイくん…」

『だn「いくぞアラジン、カイ!!この穴からだっ!!」ちょっ………』

「えぇーーーーーっ!?
そんな適当なの〜!?」

「ヒャッフゥーーーーー!!」

アリババは近くにあった穴に入る

それもハイテンションで

『ちょっ!待てってアリババ!!』

オレははしゃぐアリババを走って追いかけた

アラジンはというと…


何か気になるような顔をしながら走ってきた

『アラジン、どうした?』

「あ………カイくん…
この先からなんだか嫌な予感がするんだ」

『嫌な予感.………?
あぁ…言われてみればこの先に何かありそうな気配がするな…』

ルフ達も危険だと伝えてくるし…

『なあ、アリババ』

「いやぁー、ついに来たーっ!ってカンジだよな
お宝手に入れて、あのオッサン驚かしてやろーぜっ!
なっ、アラジン、カイっ!」

『き、聞いてない…』

これは…確実に自分の世界に入ってるな…

「………」

むんずっ

▽アラジンはアリババの服の結び目を引っ張った

ドタンッ
ベシャッ

▽アリババは倒れた
顔面に10のダメージをおった


うわぁ………あれは絶対痛いわ………

ドンマイ、アリババ………


「何すんだよ!!」


起き上がったアリババは涙目をしていた

かなり痛かったのだろう………


「うーん…
なんかこの先は怖いから…
戻ってどの道を行くか、もう一度ちゃんと考えようよ!」

「何言ってんだよ!?
勇気出して進もうぜ
そうすればお宝にたどり着けるんだ!」

あ、鼻赤くなってる…w

「うん…
でも………

着く前に、死んじゃうよ?」

アラジン………それを真顔で言ったらヤバイって………


一瞬で場が凍りついたよ?

「アリババくん、言ってたじゃないか

ここは、10年誰も帰ってこられなかった“死の穴”だって………
危ないところだからなおさら、道がいっぱいあるなら、迷わなきゃいけないと思うんだ
僕らの夢を叶える大切な迷路だから、ね?
三人でいっしょに、考えようよ!」

「………!
そ…そうだよな〜」

アラジンが一瞬神に見えた…

「んじゃ、一旦戻って考えるか!」

「そうだね!」

『まあ、三人よればなんたらって言うからな
考えようぜ!』

オレたちは穴がよく見える場所まで戻った
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ