マギ

□9夜 迷宮の脅威
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てくてくてくてく………
ペタペタペタペタ………

「いやー、結構進んだよなー
今のところ、罠らしきものはねーなー
やっぱりこの道で正解だったんだよ!
それにしてもここ、洞窟なのに明るいよな?何でだろ?」

『【迷宮(ダンジョン)】植物のせいじゃないか?
至るところに生えてるし』

「アリババくん、このコケだよ!
壁に生えてる黄色いコケがピカピカ光っているんだよ!」

「お〜!
ホントだ〜」

「キレイだね〜」

アリババとアラジンはくいいるようにコケを見る

『おーい……ふたりとも置いてくぞーー』

「あ、わりい!」

「あ、まってー!!」

アラジンとアリババは名残惜しそうに走ってきた

「それにしても【迷宮】は発見がいっぱいだな」

「あ!」

『今度はなに?』

いまだにこの【迷宮】ではテンションがあがらない……

「アリババくん、カイくん、あのお部屋はもっと光っているよ!?」

アラジンの指差す先には光の溢れる穴がある

「おっ!?
覗いてみっか!?」

『面白そうだな!』





ピカッ………

『まぶしっ……』

「おお〜〜……」

アリババの声が気になりゆっくりと目を開ける

『!!
おお〜!!』

「『な・な・なんじゃこりゃーー!!』」


周りをみれば七色に光り輝く楕円形の物体

これにはオレも興奮する

興奮しないやつはおかしい!

『な、なあ!
これ、以外と固いぞ!
それにいいにおいもする!!』

「きっと新種のすっごーくおいしい果物なんだよ!」

『いいや……
新種の鉱石だ!』

「いいやっ、この輝き!!
未知の宝石っていう線もありうるぜ!!
よし、俺が“レインボーオパール”と名付けよう!!」

「『キャーッ
カッコイイーーー!!』」

なんだこのテンションは……

スッゲー変だ……

「ウフフ
迷宮ってハラハラだけどみんなで進むとワクワクもあるね!
僕、二人と来れてよかったよ!」

『オレもだ!』

「なーに言ってんだよ
そりゃあどっちかっつーと……俺のセリフだぜ……」

『おっ!まだ小さいやつはっけーん!』

ペタペタ………

『ん?割れてる……?
なんでだ?』

まるでなにかが出てきたような……


「ギャアアーッ!!」

『どうした、アリババ!!

!!

で、出たぁぁぁぁぁ!!』

振り返るとそこにはアラジンを捕食するみどりの物体

かつてライズの迷宮にもいた物体

『キモいーーー!!

アリババ、早くアラジンをっ!
オレは…腰が抜けた……』


いきなりのホラーに腰が抜けてしまった……


ピシッ

『!!』

パリンッ

「オギャアアーー……」

「ホギャー……」

『ひっ!』

パリンッパリンッ

パリンッ

『ギャアアーッ!!
雷電(ラムズ)〉!!』

0.1秒で杖を抜き、魔法を発動する

バリバリバリッ!

「ギャアアーッ!!」

アリの化物は断末魔を上げて消滅した




『アラジン、アリババ!
早く逃げよう!
このままじゃ全滅しちまう!』

「そうだな!」

「僕に捕まって、ふたりともっ!!」

アラジンは大きく空気を吸い込む



プピーーーーーッ!!



ずぅん


『ウーゴくん、またお世話になります!
アラジン、死ぬ気で走れ!』

「わかったよ!
ウーゴくん!!」

ダッ

ダダダ……


やっぱり速いな……


もうアリの化物も見えなくなった


「よかった……アリたちは追い付けねーみたいだぜ」

「ふぅ……じゃあ少しおやすみするね…」

「えっ?」


シュウーーーーー…ヘナヘナ

ベシャ


「なっ、なんだよ!
もっとその笛で逃げようぜ!」

「だめだよ、節約しなきゃ!
今日はもう二回目だし…
この笛でウーゴくんに出てきてもらうには…僕のお腹の中の力が必要なんだ!」

『…魔力(マゴイ)か…』ボソッ…

「なんか言ったか?」

『いや…』

「お腹すいたな〜……」

「んなこと言ってっとうしろから……」


ドドド……

『!』

ズドドドドドド!!

『き、来たぁぁ!』

「「えぇええ!!?」」

『さっきよりキモさ倍増!!』

脚がマッチョ!

脚だけマッチョ!!

しかも速いな!!

「『か、囲まれたぁ!!』
なんだこいつらの脚はァァ!!?」

『どーみてもウーゴくんだよ!!
見て覚えたんじゃ…
って、何涙目になってんだよ、アリババ!!』

「なってねーよ!(グイッ
お前こそなってんじゃねーよ!!」

『だ、誰が!!
これは冷や汗だ!!』

オレはどさくさに紛れて涙を拭いた

「こんなワケわかんねぇやつにやられてたまるか!」

アリババはナイフを取りだし構える

「せあ!!」

スパンッ

バシャッ


アリババのナイフはアリの化物を真っ二つにした

「なんだこいつ、腐った杏子みてーにもろいぞ!」

『〈雷電(ラムズ)〉!!』

バリバリバリ!!

『電気にも弱いぜ!』

モゾモゾ…

「「『?』」」

ドロドロドロッ

砕けた塊から再生した

「!?
何ぃ!?」

しかし、形がはっきりしておらずドロドロしている

※スライム
迷宮に生息する無形の軟体動物
自分より強い生物を見つけると、真似をすることによって戦う習性を持つ

攻撃されると形が変わる



「こ…こいつら虫じゃねーのか……
何度でも再生しやがるなら…二度と立てなくなるまで徹底的に粉々にしてやらぁ!!」

『立てなくなるまでじゃなくて再生ね
雷電(ラムズ)〉』

アリババとオレは徹底的に化物を攻撃した


「ん!?」

異変に気付いたのはアリババ

『どうした?』


▽スライムが現れた


『ん?』



▽スライムが現れた


『なんか増えてねーか?』


▽スライムが現れた


▽スライムたちは集合を始めた…


『おいおい…これって…』


ドロッ…

ボコッ

ボコッ…

『ヤバイんじゃ…』


ムクッ

ムクムクムクッ

『ア…アハハハ…』

乾いた笑いしかでねー( ̄▽ ̄;)


ゴゴゴゴゴゴゴ

ドオオオオン…

▽キングなスライムになった!


「オギャアア…」

『め、目が…たくさん…』

ヤバイ…キモさがさらに倍増した…

「ウオォォォォーー!!」


ビリビリビリ


雄叫びで【迷宮】内の空気が激しく揺れる


ゴウッ

化物が腕を振り上げただけでものすごい風がおこる

これには耐えきれず三人ともバランスをくずす


ズバァァン

化物の一太刀で【迷宮】の床がバックリと割れた


「ひぃぃ…
冗談じゃねーよ…!!!」

『力がデタラメすぎるだろ!』

「……
三度目だけど…がんばろう、ウーゴくん!!」

ピーーーッ


ズモモモ

三回目のウーゴくん


戦いは凄まじい…


だが…アラジンが心配だ


多分あいつの魔力はもう限界のはずだ

人間誰しも魔力を持っている

でも、その量はバラバラだ

魔力を大量に持ってるやつ少ないやつ…

魔導師でも魔力に差が出る


多分こいつは少ない方だろう…


ウーゴくんを三回呼び出して顔色が悪い

『アラジン!もう無理すんな!!
あとはオレがy「大丈夫だよ……
絶対宝物庫までいくんだから…」
でも、お前!!』

「もう、“奥の手”を、使うっきゃないよね……!!」

『奥の手って…お前!!』

ヤバイ…あいつ、魔力を使いきっちまう!!

どうする?

どうするよ、オレ!!!
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