マギ

□10夜 守るための魔法
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『アラジン、本当にやめろ!
ここはオレがやる!』

チャッ

『光と闇の精霊よ…
汝と汝の眷属に命ず…
我が魔力(マゴイ)を糧にして、我が意思に大いなる力を与えよ!
出でよ、ライズ!!』

バリバリバリッ!!!

迷宮(ダンジョン)】に響く雷鳴

『武器化魔装!!』



カッ!


まぶしい光がオレを包み、静かに消える


オレの右手には等身大になったロッドと化した杖

腕には稲妻の刺青

周囲にはルフ達が沢山飛んでいる


〈カイ、ここはアモンの迷宮だ
あまり暴れすぎないようにしろよ?〉

『《わかってる》

いっくぜー!!

降り注ぐ雷電(ラムズ・アルサーロス)〉!!!』

バリバリバリッ!

降り下ろしたロッドと同調してなにもない場所から稲妻が化物に落ちる

『よし、もういっちょー!!』

オレはロッドを頭の上で回す

チャキッ

『くらえー!』

ビィーーーーーッ!!

『!!!』

突然のルフの叫び声

聞こえた方に顔を向けるとウーゴくんの両手にルフが大量に集まっていた

『赤いルフ?』

〈カイ、あれは火属性のルフをあらわしておる〉

《火属性?
ルフに属性があるのか?》

〈ああ…
魔導師に得意な属性があるようにルフにもな〉

《ふーん…
ってか、あれってヤバくないか?》

〈そうだな
スライムの近くにいたら巻き添えをくらうな〉

《だよなぁー…
サンキュー、ライズ!》

〈ああ〉

オレは武器化魔装を解いて化物(スライムらしい)から離れる

魔法が完成したのか、アラジンをのせたウーゴくんは化物に向かって走り出した

グワッ

赤く輝く両手を合わせ、振り上げる

そしてそれを一気に化物の顔めがけて降り下ろした


ジュッ!!!


炎が水で消える音がしたと同時に化物は焦げて残骸だけ残った


『とんでもねぇ技だな…
一瞬で焦げちまった…』

オレは地面に残った残骸を見て呟く

『アラジンのやつ…無茶しやがって…』

オレは杖をしまってアラジンのもとに行く

『アラジン、大丈夫か?』

「フフ…大丈夫だよ
どう?
ウーゴくんは強いでしょ?」

『ああ
強すぎるな…』

「そういえば、カイくん…」

『なんだ?』

「“ジンの金属器”…持ってるね?」

『ああ…
でも、その話は後だ
ゴールしたら話してやる』

「そうかい…
約束だよ…?」

『ああ…
アリババ!』

「なんだ?
ってアラジン、お前顔色悪くねーか…?」

「そうかい?
ちょっと力を使い過ぎてしまったようだよ
大丈夫さ!
沢山食べて沢山寝れば!」

「そ、そうか!」

アラジン…すっげーむちゃしてる…

今思えばこいつ…

魔力の消費が半端じゃなかったな…

ここに入る前からウーゴくんを使ってたし…

こっからはオレが…

お前らを守ってやるよ!
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