マギ

□11夜 アラジンの正体
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「カイ」

『ん?』

「ここらで一度休憩にしようぜ」

『そうだな…
アラジンのこともあるし…』

「俺、食いもん持ってきたんだ!
カイ、お前も食えよ!!」

『いや、オレはいいよ…
入る前にスイカ食ったから…』

「そんなこと言うなって!
大量に持ってきちまったんだ
だからお前も食え!」

『…わかったよ…
んじゃありがたくいただくよ』




アリババが持ってきた食料はオレからしたら見たことないものばかりだった


だが、食べてみたら知ってる食料だった


「まだあるぞ!」

「ありがとう
でも、もういいや…」

『オレも…』

食い過ぎて胃がもたれそう…

「それじゃあ僕、ちょっと眠るね…」

「おおっ寝ろ!!寝ろ!!」

『ゆっくり休め!』

アラジンはゆっくりとその場に横になった

しばらくして寝息が聞こえ始めた


『アリババ…』

「ああ…
またあの化物に襲われたらヤバイ…
あそこに隠れよう」

アリババが見つけたのは横穴


中に入ればオレ達三人には十分すぎるほどの穴だった


『アリババ、アラジンの顔色が良くなるまで交代で入り口を見張ろう』

「ああ、そうだな…
んじゃ、先お前が休めよ…」

『いや、アリババから休め…
食事のお礼だ』

「そうか…わかった…
んじゃ一口休むぜ…」

『ああ、ゆっくり休め!』

アリババはアラジンの隣に座って眠りにつく


寝息が聞こえたのを確認して杖を取り出す


『んじゃ…

ルフ達よ…聞こえるか…?』

チチチ…

“もちろん、聞こえてるよ!”

“どうかしたの?”

『あの二人の治療が出来るものはいないか?
疲れをとるだけでもいい…』

“それならわしにまかせとくれ!
これでも昔は整体師をしておった!”

“ナイス、じーちゃん!”

『それじゃあ、お願いするよ』

“はいよ”

『オレはこれから見張りをするから…』




ピチャーーン…

ピチャーーン…



規則正しく水滴が落ちる音が場を支配する



チチチ…

『終ったのかい?』

オレは整体師だった人物のルフに尋ねる

“ああ、終わったよ”

『ありがとう』

“ああ
久々だったから腕がなったよ”

『それはよかった』

“また何かあったら呼んでくれ
いつでもあんたに手を貸すよ”

『ありがとう』

チチチ…

整体師だった人物のルフはルフの集まりに帰っていった


「……カイ」

『あ、起きたか』

「ああ…見張りありがとな…
次はお前が休め」

『ああ
んじゃ、何かあったら起こしてくれ…』

「わかった
ゆっくり休め」

『ありがと』

オレはアリババの隣の壁に寄りかかって眠りに着いた


































“母さん…?”

聞こえてくる声は聞き覚えのある声

“どこにいるの?”

声が聞こえる方を向くと一人の子ども

周りを飛ぶルフは漆黒と純白

『えっ…オレ…?』

こちらに向かって歩いてくる子ども

よく見るとオレに似てる

“あ!
母さん!!”

子どもがオレを見て走りよる

『えっ、ちょ…』

“あら…悪い子ね…
母さんの秘密の場所で待ってるようにいってたのに…”

背後から聞こえた女性の声

振り替えるとそこには背丈ほどの杖をもった髪の長い女性

逆光で顔がよく見えない

“だって…!
ルフが教えてくれたんだ!
このア…マ……ト…が…………!”

よく聞こえない……

アマトって……なんだ?

『なあ、アマトってなんなんだ?』

“大丈夫よ…
母さん達が何とかするから…
あなたは安心なさい…?”

『なあ!』

…ダメだ…オレの声が届いてない…

“わかった…”

“いい子ね…”

誰か…教えてくれ…

アマトって……なんだ?


















チチチ…

ルフの声で目が覚めた

アレは何だったのだろうか…

「カイ、大丈夫か?」

『あ、アリババ…?』

オレを不安顔でみるアリババ

『あ、ああ
大丈夫だ』

「そうか?
なんかうなされてたぞ?」

『あ…
気にしないでくれ
あのさ……』

「なんだ?」

『お前ってアマトって聞いたことあるか?』

「アマト?
いや、聞いたことねぇ……
それがどうしたんだ?」

『あ、聞いたことねぇんだったらいいや……
変なこと聞いて悪かったな……』

「いや……」

アリババは知らねえのか……だとしたら……

《ライズ……》

〈ん?〉

《ライズ、アマトって知ってるか?》

〈アマト……?いや、知らんな……
それがどうしたんだ?〉

《いや、知らないならいい……》

〈そうか?〉

《ああ…》

ライズも知らないか…

本当にアマトってなんなんだ?
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