マギ

□14夜 ネクロポリス
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『アリババ、こんな扉よく見つけたな?』

「ああ…
見つけた時は驚いたぜ…
なんせバカデカイからなぁ」

『ここに辿り着いたってことは、アリババが落ちた穴が正解だったと…?』

「そうなるな
まあ、領主がオレの誤訳にまんまと引っ掛かってくれてよかったぜ…」

「誤訳?」

『ああ、アリババが領主に嘘をついたんだ
領主が石盤を読めないって考えてカマかけて…
そしたらうまくつれた
そうだろ?』

「まーな
まぁあんなにうまくいくとは思わなかったけど…」

「どう誤訳したの?」

「石盤には“竜の牙の中に真実は存在する
全ては竜の尾に辿り着く前に”と書かれてあった
それをオレは“竜の牙を越え
真実に辿り着け
全ては竜の尾に存在する”と訳した
本当に訳せるやつなら間違いだとわかるようにな…?
まあ、嘘ついたのは悪かったなって思ったさ…
でも、カイとお前は人質だったからな…」

『仕方なくな…

まあ、間違いの道を進んでも、鼻のいい子がいるからあとから追ってくるだろうさ
んで?これが“真実”への扉?』

「多分な…
罠穴の底で見つけた横穴を抜けたらこれがあったから、これこそ“真実”への扉だと思うんだ
でもな…」

『でも?』

「開かねーんだよ
取っ手も何もねーし…」

『ん…?
これ…見たことあるぞ…』

「ほんとか!?」

「僕、これ知ってる」

「おおっ!?」

「僕がウーゴくんと一緒にいた“がんじょうな部屋”にも、これと似た扉があったんだ
カイくんはどこで見たんだい?」

『オレは……
あれ?何処でだっけ…?
わりっ、覚えてないわ…
(すまない、アラジン…
アリババのために楽しみをとっておかないと…)』

「そっか
ああ…開けるときはね、こうやるんだよ」

アラジンは両手を扉に当てる

「えっとね……
セリフはなんでもいいんだけどね
う〜ん……」


グググ…


ピィピィ


扉の隙間からルフが出てくる


あ…これはアリババ、見えてるな…


「ひらけ〜〜っ…
ゴマッ!!」


ブホォッ!!


扉は砂煙を巻き上げながら開いていく


ズゴゴゴゴゴ……


すっげー腹に響くな…


アリババとアラジンは目を隠している

あ、前言撤回

アラジンだけだわ

オレ?

オレは防御魔法があるから平気

アリババは目が輝いている

さぞかし財宝の山を期待しているのだろう


オレはそんなの気にしない

オレは早くアモンというジンに逢いたくてしかたないのだ


『さてと、行くか…』

オレはゆっくり中に入る

「あ、待てって!!」

アリババとアラジンは遅れて入ってきた
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