狩人

□1977年
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暗い暗い闇の中。
何も見えなくて何もない...。

でも暖かくて気持ち良くてホッとする...。

そんな場所に私はいた。

一人ではない。
二人だ。

ずっと一緒にいた。
おそらく兄弟というものだろう。

「まぁまぁまぁ!!貴方っ!貴方ああああぁぁああ!!動いたわ!動いたのよ!!先に生まれるのは男の子の方に違いないわ!!早く貴方達に会いたいわね!!ああああっ!!!楽しみで仕方がないわ!早くっ!!早く私に貴方達の顔を見せて頂戴っ!」

なんてうるs...。なんて元気な声の女の人だろうか。

これは何時ものことだ。
また何か良い事でもあったのだろう。

それにしても今日は何時にも増して楽しみでしょうがないという声だな。

一体なんだろう...?


答えはすぐに見つかった。

『おぎゃあーッおぎゃあッ!!』

「おぎゃあーッ!!」

私に続けて泣き声が聞こえる。

「奥様、可愛い女の子と男の子の双子ですね!おめでとうございます。」

若い女の声が聞こえた。

「オホホホホッ!!私は貴方達のママですわ!今日から忙しい毎日ですわねっ!!ほらっ!貴方も自己紹介なさい!!」

「ああ...。俺はシルバだ...。お前達の父親になる。元気に育つんだぞ。」

そうか...。
あの声は、あの悦びの声はこれだったのか...。

暖かな腕に包まれて、私はまた暗い闇の中に落ちた。
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