幻影【話】

□にゃー…?
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北風が強まり、寒くなってきた頃、ふとガジルが

「なぁリリー」

「なんだ?ガジル」

「この猫耳着けてみてくれ」

「……」

と、聞いてきた

だいいち俺は猫なんだが…(今は人型だけど)
パンサー・リリーことリリーは はぁ、とため息をついた

「何故きゅうに?」

「だって…リリー、いつまで経っても猫になってくれねぇし…」

「仕方が無いだろう。アースランドに来てから普段がこうなのだから」

そう。リリーはアースランドに来てから猫から人型へ変化してしまい、ある一定時間しか猫でいられなくなってしまったのだ。

「ちっ…俺の猫…」

「だいいち男の俺が猫耳など、無理があるんじゃないか?」

いや…とゆうか無理がありすぎだ。流石の猫好きのガジルでも引くだろ。うん、絶対に

「リリーだからへーきだろ」

しれっと言うなしれっと…

「なら、ガジルが着ければ俺も着けよう」

イヤがってそれで終わると読んだリリーはガジルにふった

「やろーが猫耳着けてもキモいだろ!」

「その言葉、そっくりお前に返そう」

「うっ…」

何も言えないガジルは、リリーから猫耳をひったくり、 あっち向いてろ! と言いながら着け始めた。

(む、断られて終わるはずだったのだが…)
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