マダラおじさんといっしょ


□おじさんとあやとり
1ページ/1ページ

暁のアジトの一番奥の部屋がおじさんの部屋。

みんな各々の部屋へ帰り、自由な時間を過ごす夜。
酒を飲む人もいれば、物を作る人もいる。


私はというと、特にする事もなくただ自分のベッドの上で足をパタパタと動かしている。

「暇だなぁ。」

昼間は誰かしらが遊んでくれたり、散歩に行ったりするのだが、今の時間は誰も遊んでくれない。

「おじさんのとこにいこー。」

ひとりつぶやいて、ピンクの毛糸を持ってマダラおじさんの部屋へ行ってみる。


アジト内の廊下はひんやりして暗い。
早くおじさんに会いたくて、小走りなる。

しばらく歩き、おじさんの部屋の前で足を止めた。


コン コン

「おじさーん、遊びに来たよー。」

返事も聞かず、ノックの意味が無いくらいにすぐさまドアをガチャリと開け、中へ入る。

おじさんは初めから私が来るとわかっていたのか、仁王立ちで腕を組んでた。

「寝ろ。キイチ」


「あやとり持ってきたの!」

へっへーん、と私は仁王立ちのおじさんに構うことなく、その後ろのベッドへ飛び込んだ。

「餓鬼が夜更かしをするな。」

鎧を鳴らしながらおじさんはベッドへ腰掛けた。

「最初は私からね!」


私は、毛糸を川の字してから、おじさんへ突き出した。



「火遁…」


「もー!おじさん!!」

本気ではないであろう火遁の印を結んだおじさんの手に頭突きをした。
両手が塞がってるから仕方がない。


「川の字から!はい!」


おじさんは黒い眼を細め、いささか嫌そうにしている。


「くだらん…。

……一度だけだ。」

渋々おじさんは川の字からあやとりを取ってくれた。

おじさんはなかなか上手で、一度といったものの、私もおじさんも失敗しなかったので、とても長い時間あやとりができた。

終いにはあやとりを取るときに、お互い術名を叫んでいた。


「火遁・豪火球の術!」

「フッ…甘いなキイチ。
火遁・豪火滅却!!」

とても楽しかった。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ