暁学パロ(鳴門)

□夏休み
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「明日から夏休みに入る。
だが、浮かれて宿題を怠らないようにしろ。宿題を忘れた者は、俺からの説教をくれてやる。」



帰りのホームルームで、担任のペイン先生が私達が夏休みで浮かれないようにと注意した。



明日から夏休み。浮かれないわけがない。
たっぷり遊び尽くす!!

宿題?知らんな。



「わかっているな、綺一。」



まただよ…
相変わらずこちらを見ずに発言するペイン先生の忠告。


でも今日は膝を机の裏にぶつけるという失態はしなかった。



「以上でホームルームを終わる。」


ペイン先生はそう言うと、私を見た。
ムラのない綺麗なオレンジ色の髪に、顔中にくろいピアスをしている。
先生がピアスをしていていいのかと思うが、許されているらしい。



私はヒラヒラと力を抜いた手を左右に振って無言の返事をする。


それを確認した先生は教室を出て行った。

ペイン先生が授業の時は、起立・礼が無い。めんどくさいのだろうか。
ホームルームの時もだ。



「夏休みだ!!うん!!」

前の席のデイダラが振り返りながら叫んで来た。


「デイダラとサソリは部活は夏休みもあるっけ?」


美術部であるデイダラとサソリは夏休みも部活があるのだろうか。


「いや、自分達で出るか出ないか決めれる。」


サソリ曰く夏休み中は自分の好きな時に部活に出れるらしい。


「2人ともどうするの?私は部活無いから遊びまくるけど。」


私の夏休みの予定は、最終日から4日前まで遊びで埋め尽くされている。
あとの4日はサソリの家で宿題を終わらせる。



「プール行こうぜぇ!!」

飛段が椅子にひじ掛けながら提案してきた。


「プールいいな!うん!
旦那、部活はどうする?」


私とデイダラと飛段の視線がサソリに集中する。


「ガキじゃねぇんだ、俺は遠慮しとくぜ。それと部活は出ねぇ。家で完成させる。
わざわざめんどくせぇからな。」


サソリはフンッと笑いながら答えた。プールはいかないようだ。もったいない。


「んじゃオイラも家でやるか。
綺一はプールどうする?」


結局2人は部活でないんだ。


私は海よりプール派だ。昔クラゲに刺されてから嫌になったから。


「私も行くから、デイダラと飛段とで3人だね。」


久々のプールにワクワクする。


いつにしようかと、日にちを聞きかけた私の肩に、ズンッと重みが加わった。



「待て、やっぱ行く。」


気が変わったのかサソリも行くようだ。そんなに強く手を置かなくても断らないのに。
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