暁学パロ(鳴門)
□プール
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夏休み突入2日目。
私は快適に泳ぐためにスイミングセンターへ来ていた。
デイダラと、サソリと、飛段と共に。
私の服装は、英語の柄入りの白い半袖に黒い半ズボンにクロックスという、かなりラフな格好。
私の左を歩くデイダラは、ボーダーのシャツの上に肘まで捲った白いパーカー、暗めの色のジーパン
。
右を歩くサソリは、Vネックの黒いシャツを肘前まで捲っていて、首元と腕にチェーンネックレスとゴツいブレスレット、黒いズボン。
ちなみにサソリは普段から黒いピアスを付けている。
前を歩く飛段は、白い柄物のシャツに黒いカッターで、白のズボン。
首元には何だか変なマークのシルバーネックレスを付けている。
「いやー、いつ来ても大きいね!」
「大きさ変わったら変だぞ、うん。」
ここのプールはとにかく大きくて、種類も豊富。
さっさと中へ入ろう。
「暑いし、中入ろ。」
ジリジリと照りつける太陽のせいでおでこに薄っすら汗が張る。
私達は中へと入った。
「いらっしゃいませー!」
貼り付けたようなスマイルに語尾を伸ばした喋り方はどこの店員も同じだ。
受付カウンターには女性店員が2人。こちらを凝視している。
正しくは私を除いた3人を見ているのだ。
はいはいモテる男はつらいですね。
「オイラが受付一気に済ませて来る。うん。」
と言ったデイダラに各自お金を渡す。
受付に向かうデイダラに受付嬢の2人はお互いに顔を見合わせ、赤らめた。
「4人分だ。うん。」
デイダラがお金を差し出すと、受付嬢の1人がデイダラの手にワザと触れるようにお金を受け取っていた。
そしてもう1人の受付嬢は各自の荷物用ロッカーの鍵4人分を、これまたデイダラの手に触れるようにして渡した。
それをサソリと2人で眺めていた。
飛段は自動販売機の方に歩いて行った。
「モテるね、デイダラ。」
「モテてどうする。媚びてくる女なんざうざったいだけだ。」
サソリくん、それは言ってはいけないセリフだよ。
サソリとそんな話しをしていると、デイダラが戻ってきた。
「鍵。」
デイダラから各々鍵を受け取ったが、飛段が居ない。
めんどくさいなもう。
「飛段ー!」
飛段の名前を呼ぶと、自動販売機がある曲がり角から飛段が現れた。手にたくさんのジュースを抱えて。
「いやいや、買うの早すぎだし、買いすぎだし…。」
なぜ今からプールなのにジュースを買う。
「俺じゃなくて、あいつらが買ったんだよ。」
と飛段は後ろを振り返った。
私達は飛段の後ろを確認した。
すると、きゃっ!と言う女の人の声が聞こえて納得した。
「くれるんだとよ。お前らの分もくれたぜ。」
ゲハッと小さく笑った飛段。
そうだ。コイツモテるんだった。
普段私達の前では絶世の変態なのに、女性の前ではホステス顔負けの紳士ぶり。
本当に意味がわからない。
「へー。よかったね。
じゃ泳ぎ終わってから飲むから、早く泳ご。」
軽く女の人にお辞儀をして、飛段から一缶お茶を貰い、女子用ロッカーへ進んだ。
デイダラも律儀にお辞儀していた。
するとまたきゃあっ!と女の人の声がした。
サソリがお辞儀するわけもなく、私の後ろへ続いた。