暁学パロ(鳴門)

□カラオケ
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夏休み突入20日目。
なんとか自由研究の題材は決まった。かなり日数をかけてしまったが。

「寒天培地を使った、菌の発生・繁殖率の研究にするか。」

かなり面倒だが、寒天を固めた培地に私の手に着いた菌がどれほど発生と繁殖をするのかという研究をすることにした。

まぁ、ある程度殺菌した容器と寒天を固めて、自分の手をそれに押し付けたあと放置し、雑菌の様子を観察するというものだから、出来ないことではない。

「容器はなんでもいいか…。
あとは使いかけの寒天…と…」

インターネットで材料を調べていると、携帯がメールの受信を知らせた。

「ん、チサからだ。」

メールの名前欄にクラスの友達の名前が出る。

「えー…っと、…カラオケ?」

その内容は、最近できた新しいカラオケ店へ一緒に行かないかというものだった。

「”行くのは、私と、トモコとユミだから!”

…っと、カラオケかぁー。」

久しく行ってなかったカラオケ。
もちろん行きたい。


私は、オッケーだよ。いついく?
と、メールを返信した。

「ワクワクしてきたかも。」

普段サソリ達といるのであまり話は出来ないが、チサとはいい友達だ。夏休みに遊びたいと思っていたのでちょうどいい。

そう考えていると、メールが帰ってきた。

「”明後日の11時でどう?”」

初めにありがとうの文の後にそう書いてあった。
明後日は特に用事は無いので大丈夫だ、と打とうとしたが、文にまだ続きがあった。

「”よかったらサソリくんやデイダラくんや飛段くんも誘ってくれるといいな!楽しくなるし!”」

書いてあった3人の名前に、やっぱりか…とため息が出た。
確か、トモコもユミも3人のこと好きだと言っていた。

「まぁ、そんなことだろうと思ったけどね。
でも友達として断れないから連絡してみるか。」

メールに、明後日ね、今から聞いてみる。と打って返信した。

返信後、電話帳を開き3人の中で1番先に名前がでるサソリを選択し、通話ボタンを押した。


ワンコールで出た。


「出るの早すぎでしょ。」

「丁度手に取ってたからな。」


携帯を手にとったら私から電話が来たらしい。タイミングがいい。


「あのさ、明後日の11時からカラオケ行かない?」


「あ?カラオケ?
……2人でか?」


2人でか?部分のトーンが高いのは気のせいだろう。


「いや、私と女の友達3人と、サソリとデイダラと飛段と。」


しばらくの沈黙の後、サソリが口を開いた。


「くだらねぇ…。
雌豚共と歌なんざ歌えるかよ。」


ドロドロ毒を吐くサソリ。
けれどここで、あ、そう。と通話を終わるとチサ達に悪い。


「お願い、サソリの旦那。」


デイダラ風にねだる。


「お前が旦那って言うんじゃねぇよ。

…そうだな。
お願いいたしますサソリ様。だな。」


私は通話終了ボタンを押そうか迷ったが、友のため…と思い止まった。


「お願いいたしますサソリ様。」


棒読みになってしまったが、これでいいだろう。


「駄目だな。もう一度だ。」


誰かこいつを殴ってくれ。


「なんでやねん。」

使い慣れないツッコミの言葉がポロっと出てしまった。


「ククッ……冗談だ。」


喉で笑ったサソリはデイダラと飛段を誘っておくと言ってくれた。
これで安心だ。


「じゃよろしくね。」

「おぉ。」


通話終了ボタンを押して、チサにメールを入れた。
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