短編

□歩幅
1ページ/2ページ


「お前もう少し早く歩けねーのかよ」

生意気な口で私に言うキルア。

キルアは男だからか、歩幅が大きい。

にもかかわらず、私の歩幅に合わせて歩いてくれる。

「キルアの歩幅が大きいんだよ」

「は?お前の脚がみじけーんだよ」

私の脚を見ながらそう言ってきた。

これには少し腹が立ったので私はキルアに言い返す。


「別に一緒に歩こうなんて言ってないし、先に行けばいいじゃん」

少し怒った口調で言うと、キルアも拗ねたのかわからないけど私よりスピードをあげる。


「あっそ。じゃあ今度から別行動な、」

と言い、走って行ってしまった。


私は歩幅を変えずに自分のペースで歩いた。



次の日もまた次の日も
キルアと私は一緒にいることがなくなった。


「名無しさん、キルアと喧嘩したの?」


とかゴンに言われた。

「なんで?」

不思議そうに聞くと、不思議そうに返された。

「いつも一緒に歩いてるのにいないから!」

「え、いつも一緒にいるイメージなの?別に喧嘩してないけど…」

「この前キルアが首かしげながら歩いたの見たよ!」

良く分からないけど、ゴンが教えてくれた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ