短編
□歩幅
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「お前もう少し早く歩けねーのかよ」
生意気な口で私に言うキルア。
キルアは男だからか、歩幅が大きい。
にもかかわらず、私の歩幅に合わせて歩いてくれる。
「キルアの歩幅が大きいんだよ」
「は?お前の脚がみじけーんだよ」
私の脚を見ながらそう言ってきた。
これには少し腹が立ったので私はキルアに言い返す。
「別に一緒に歩こうなんて言ってないし、先に行けばいいじゃん」
少し怒った口調で言うと、キルアも拗ねたのかわからないけど私よりスピードをあげる。
「あっそ。じゃあ今度から別行動な、」
と言い、走って行ってしまった。
私は歩幅を変えずに自分のペースで歩いた。
次の日もまた次の日も
キルアと私は一緒にいることがなくなった。
「名無しさん、キルアと喧嘩したの?」
とかゴンに言われた。
「なんで?」
不思議そうに聞くと、不思議そうに返された。
「いつも一緒に歩いてるのにいないから!」
「え、いつも一緒にいるイメージなの?別に喧嘩してないけど…」
「この前キルアが首かしげながら歩いたの見たよ!」
良く分からないけど、ゴンが教えてくれた。