短編

□弱気な君も君自身
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「・・ビ・・ル・!・・・ワルビアル!」
「!」

誰かの俺を呼ぶ声が聞こえて、俺は目覚めた

「・・・ハハコモリ・・・ズルッグ・・・?」

ハハコモリとズルッグが俺の顔を心配そうに覗き込んでいた

「大丈夫?何かすっごいうなされてたけど・・・」
「だいじょ・・ぶ?」
「・・・ああ、大丈夫だ」
「そう?あ!お昼ご飯だから皆待ってるよ!早く行こ!!」

どうやら俺は昼前にうたた寝してしまい、戻って来なかったからハハコモリたちが呼びに来たらしい

「・・・皆が・・待ってる?」
「?うん、ほら行こ!あ〜ほら、サングラスずれてる、よ・・?」

ハハコモリとズルッグが驚いたように俺を見た

俺は・・・

「ワルビアル・・?泣いてる?」
「ちょっと!どうしたの!?」

俺は、泣いていた
一度溢れた涙は次々流れてこいつらを余計心配させてしまう

「っ、・・うっ、、」
「ねえ、ホントにどうしたのさ
何かあったの?」
「っ・・・なあ、お前らは・・俺を捨てないよな・・・?気弱な俺でも、一緒にいてくれるよな?」
「はあ?そんなの当たり前じゃん!ねえ〜ズルッグ!」
「ん!ずっと、いっしょ!」

ハハコモリたちの言葉が身に染みて、俺は更に涙が出て来てしまった
そんな俺を二人は優しく抱きしめてくれた

「ほら、大丈夫!僕たちはずっと一緒にいるよ
だから不安になることなんてないよ」

その言葉が嬉しくて、俺は二人の胸の中で思う存分泣いた
途中でハハコモリが

「気弱な君も、君自身なんだからね」

そう呟いてくれた気がした



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