短編

□夜の彼に昼の日常を
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基本はヘラクロスが喋っているのをヨルノズクが聞いているだけか時々何か言うかで、今日もそうだったが何かが違った。

「ドンファンとフカマルがぶつかっちゃってさ、それでドンファンが・・・」
「・・・」
「・・・ねえ、ヨルノズク」
「・・・何だ?」

ヘラクロスはそれに気づいてヨルノズクに気になっていることを聞こうと彼の名前を読んだ。ヨルノズクはこちらに顔は向けずに返事だけする。

「何かあったの?様子おかしいよ?」
「・・・気のせいだろ。何もない」
「ウソ。目が少し悲しそう」

ヨルノズクは表情が硬く、感情がわかりづらいが、いつも一緒にいるヘラクロスはその微妙な変化に気づいたのだ。

「・・・別に何かあったわけではない。ただ・・・」
「ただ?」
「貴様は、私の知らない時に皆のことをよく見ているのだな。私はその時間は殆ど寝ているからよくわからん。だから、少し貴様が羨ましく思う」

ヨルノズクは種族柄、朝昼は寝ており、ヘラクロスのように子供達と遊ぶことはない。そのため、ヨルノズクは子供達がどのような遊びをして、どのように過ごしているのかがあまりわからなかった。

「じゃあさ!」
「!」

その話を聞いてヘラクロスは、ヨルノズクの方に身を乗り出し、明るく言った。

「今度俺たちと遊ぼうよ!そしたらわかると思うよ!」
「貴様、話を聞いていたか?私はその時間寝ていると・・・」
「夜寝たら起きてられるよ!ね!一回だけでもいいからさ!」

ヘラクロスはヨルノズクに、自分のやっている楽しいことを一緒にやって、楽しんでもらいたい。そんな気持ちでいっぱいだった。

「・・・仕方ないな。いいだろう」
「ホント!?ありがとう!!」
「少し体を動かしたい。付き合え」
「え、バトル?・・・相性すごく悪いんだけど」
「文句を言うな。行くぞ」

ヨルノズク自身は少し前まで寝ていたため、寝るのはかなり厳しい。しかしヘラクロスの自分を思っての発言を受け入れたいと思った。

(・・・明日が楽しみだな)


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