あの日…
□8月27日
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まだ夏だと言うのに昨日までの暑さはどこに行ってしまったのだろうか、台風の接近で、外は少し肌寒く風が強い。空を分厚い雲が覆っており蝉が姿を潜める不気味な朝を、誰もが迎えていた。
そんな中、ある少年だけは、この日を楽しみにしていた。
少年『寒っ!!』
ベッドから体を起こし伸びをしながら呟く。
台風のせいか、いつもより部屋が薄暗い。
少年は、眠たそうにしながら、机の上のカレンダーを見ると、今日の日付の所に赤ペンで丸印がしてあり、そのすぐ下に『作戦決行』っと書いてあった。
少年『よし!!』
そう呟いて少し笑った。
少年(やっとあの中に入れる)
少年は嬉しそうにしながら着替えを済ませた。
顔を洗って、ご飯を食べ終えて自分の部屋に戻ろうと階段を上がっていると、玄関のインターホンが鳴った。
光太『こんにちは〜!!悠輔君居ますかぁ?』
悠輔(あ!!光太だぁ!!)
悠輔は、上がりかけた階段を早足で下り玄関のドアを開けると、体格の良いガッチりとした悠輔と同じ位の背丈をした男の子が立っていた。
悠輔『おはよ〜、ちょっと待ってて!!今から用意してすぐ行くから!!』
っと急いで自分の部屋に上がった。部屋はカーテンを開けても相変わらず薄暗い。部屋の電気をつけ、壁にかけてあったショルダーバックを手に取った。
悠輔『えっと…タオルとペットボトル2本と…それくらいかな?』
しばらくすると、下の方から、
光太『まだぁ〜?早くしないと、長太郎達が来ちゃうよぉ〜!!』
待ちくたびれたのだろうか、少し不機嫌そうな声で光太が急かす。
悠輔『ごめん!!今行く!!』
と返事をし、急いで机の上に置いてある六芒星を象ったネックレスをして家を出た。
悠輔『お待たせ〜(笑)』
っと申し訳なさそうに笑った。
光太『遅い〜!!早く行こう!!』