狩人

□星と月とハンターたちの宴X
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ひと悶着あったがようやくスタート地点から動き始めた。
いつの間にか少しずつ日が陰ってきているので水場を探してうろうろしていると、キルア思い出したようにこちらを向いた。

「そういやリノ、プレートってもう6点分集めてきたのか」

「あーうん」

歯切れが悪い私に頭上にはてなを浮かべたキルアが無言のまま先を促してくるので、かいつまんで話した。

「最後の1点分のプレートを拝借したらそれが私のターゲットだったから、そいつを木に縛り付けてその近くに2点分のプレートを置いてきた」

うん。嘘はいっていない。
ただ最後の1点分のプレート持ってたやつが私のターゲットだったって知ってたこと以外嘘は言ってない。
もう一度言おう。本当のことは言ってないだけで、嘘は言ってない。
私の内心など知る由もないキルアはふーんとだけ呟き、

「なんだ、じゃあこれで二人とも6点分プレート集めたわけだ。ほんっとこの試験簡単すぎてつまんねーの」

とつまらなさそうにいった。
なんとなく気にかかるものいいだが、つまらないというのが本音なのだろう。
私は深く考えないようにした。

「こーら。まだ試験は終わってないんだから気を抜かない」

6点分集めてしまった私たちにとって試験はもう終わったものだと言っても過言ではないが、昨日の嫌な殺気もある。
おそらくピエロはこの狩りに高ぶっているのだろう。
そんな状態のピエロとこんな狭い範囲しかない孤島でやり合う気はない。
というか会わないように細心の注意をはらいたい。

「はいはい」

先ほど同様に当たり前だが、私の内なる葛藤など気にもしないキルアは適当な返事をするばかりだった。
まぁプレート集めたし後は適当に人の気配を避けて潜んでれば後4日くらいすぐにすぎるだろう。
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