狩人

□星と月とハンターたちの宴X
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いつの間にか夜になり、川の近くで夕飯にすることにした。
バックから小さな鍋を取り出し、キルアに水を汲んできてもらう。
その間に近くにいた小動物をさばいたり、食べられる薬草を加工し、キルアが水を汲んできた鍋に入れた。
鞄から乾燥スルメを取り出し、だしをとるために二人で火をおこして、その周りに石を敷き詰め火のちょうど上に鍋を置いた。
だしを取ったあと、さばいた肉や細かく切った木の実を入れて煮込む。
しばらく煮込めば簡単な夕飯の完成となる。

「リノって野営とか慣れてんのな」

言外に見た目に反してという副音声が聞こえてきたが、困ったように苦笑するだけにとどめた。
ここにくるまではずっと旅を続けていたなどと言ったら興味津津で食いついて来るに決まっている。
そうなれば余計なことまで話してしまいかねない。
なるべく、その話題に触れないようにしつつ、夕飯を食べ、夜も更けた頃に二人して寝転がった。

「リノってさ」

「うん?」

「・・・やっぱ変だ」

「小生意気でおしりの青いお子様には言われたくないな」

「それ関係ないだろ!つかおしりの青いお子様ってなんだっ!」

小生意気は訂正しないのか。
そのまま取りとめもなく話していたが、お互い無言になった。
私は自分の能力を使って一切の攻撃をガードする障壁を作りだすとそのまま寝入った。
そうして4日目が過ぎて行った。


夜に寝てしまった私は、川の近くの木から苦しげな声が響いていたことに気づくことはなかった。
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