狩人

□星と月とハンターたちの宴V
1ページ/8ページ

第3話 料理とトリックタワー

2次試験のお題は料理。
試験官二人が満腹になったら試験は終了となる。
料理と言われた瞬間の受験生たちの絶望顔が見て取れた。
まぁまさかハンター試験にまで来て料理するはめになるとは誰も思っていなかったのだろうけど。



最初のお題は【豚の丸焼き】
試験官がそう言った瞬間どこからともなく身の丈ほどある大きな鼻を持った豚の大軍が受験生たちを弾き飛ばして行った。

「うわーあんな大きい豚の丸焼を食べるの・・・」

思わず唖然としてしまった。
豚の名前はグレートスタンプ。
そしてどうやらこのあたりにいる豚はこの一種類だけらしい。
ただの料理試験だけではないということか。
あっという間に一頭仕留めて丸焼にして持っていけば、どこに入るのかと思う間もなく試験官の胃袋に吸い込まれていった。
ポカンとして見ていると、いつの間にきたのかレオリオとクラピカが隣にいた。

「70頭も喰いやがった・・・。バケモンかよ、あの試験官」

「おかしい・・・妙だぞ。明らかにあいつの体積よりも食べたほうの量が多い!」

「いや、そんなにマジで悩まれても」

信じられないといった表情で唸るクラピカに引き気味になりながらツッコミを入れるレオリオの漫才にお腹を抱えて笑ってしまった私を誰が責められるだろうか。




続いてのお題は【寿司】
ちらりと周りを見渡せばポカンとしている人がほとんどであった。
なぜなのかと思っていたら試験官:メンチによってその理由は語られた。

「ふふーん。大分困ってるわね。ま、知らないのも無理はないわ。小さな島国の民族料理だからね」

そうか。
この世界で寿司料理は世界的に普及しているわけではないのか。
来る時に一応資料を読んでひと通り頭に叩き込んだつもりだったけど、さすがに料理の欄まで見てる余裕はなかったもんな。

「リノ?どうしたの?皆中に入っちゃったよ」

「えっ?あ、ほんとだ」

ゴンに呼ばれて辺りを見回せば他の受験生はすでにいなくなっていた。
慌ててゴン達の元へと向かった。
建物の中に入ると寿司を作るために必要な材料と道具がそろっていた。

「あ、ご飯はさすがに炊いてあるんだ」

道具を確認しながら思わずポロっと口から漏れ出てしまった。
それを聞いていたゴン達はすかさず私の周りにやってきていた。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ