狩人

□星と月とハンターたちの宴\
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第9話 本当の目的

なんやかやとハンター試験が終わり、キルアを連れ戻す旅が始まった。
なぜかついてくると言ってきかないハンゾーを連れて男4人向かうはパドキア共和国。
それからキルアの実家であるゾルディック家があるというククルーマウンテンに向かう。キルアの兄:イルミの話を信じるならば、キルアはそこにいるはずである。
ゴンは飛行船に乗りながらハンゾーと楽しそうに話している。その様子を見ながら、クラピカとレオリオはなんとも言えない表情である。

「なぁ、なんだってまたハンゾーのやつ。ゴンについていくなんて言ってやがんだ?」

いつもの声の大きさを何倍にも小さくした、囁くような声で隣のクラピカに話しかけるレオリオ。
そして、声を小さくできるのであればいつもそうしてくれと、少し顔をしかめたクラピカが同じく小声で答える。

「とにかく最終試験でゴンを気に入ったのだろう」

「そりゃ、ゴンを合格させるくらいだ。見りゃ分かるが・・・」

レオリオの言いたいことは分かるが、クラピカだってわざとはぐらかしているわけではない。読めない行動をする男だなと声には出さず思う。
そして、なぜこんなにも自分たちが困惑しているのかその理由が、

(・・・リノの行動に少し、似ているから、か?)

行動そのものというより、雰囲気がといったほうがいいかもしれない。誰かれ構わず話しかけるおしゃべりな性格は置いておくとしても、単独行動を行うところは確かにリノに似ているのかもしれない。
職業を自称忍者というハンゾー。その身のこなしは試験の最中によく見かけた。実力も最後の試験を見る限り相当なものであり、ハンターとしての資質もトップクラスだということが窺える。しかし、単独行動するから似ているわけではない気がする。
なぜそう思うのか、考え込んでいたら、視線を感じた。
レオリオかと思ったが、さっきまでぶつくさ一人で何か言っていたにも関わらず、すでにいびきを書いて寝ていた。
その寝付きのよさにクラピカは思わず半目になってしまったが、視線のことを思い出し周りを見渡した。
飛行船の中、歩いている人などいるはずもなく結局誰から見られているか分からなかった。

(考えすぎか・・・そういえば)

視線で思い出したことがあった。ハンゾーは良くリノのことを見ていたと。なんとなくふに落ちないまま4人の旅は始まった。
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