狩人
□星と月とハンターたちの宴]
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第10話 星と月とハンターたちの宴
「簡単に説明すると、俺とリノとマリは仲間で、マリが行方不明になったからリノがひとりで探しにきたんだよ」
サトシと名乗った少年がどこか緊張感のない感じで話を始めた。
サトシの周りにはなぜか衝撃波が届かないので4人はそこから動けずに、リノとマリの戦闘をただ見ているしかなかった。
そして、あと出来ることといったら、事情を知っていそうなサトシと話すことくらいだった
「それが、リノの、いや君たちの目的だと?」
「そうだよ。まぁハンター試験を受けにいったのはリノの単なる好奇心も含まれてるけどね」
あれですっごいけんかっ早いからと苦笑しながらサトシはいう。
この状況でなんでそんなに緊張感なく話ができるのかクラピカが対応に困っているとキルアが叫ぶようにいった。
「あ〜もう、わっけわかんねー!一から説明しろよ!」
今起きていることも含め、分からないことだらけである。キルアは睨みつけるようにサトシをみる。が、サトシはキルアの視線を受けても困ったような顔をしただけだった。
「一から・・・えーと、まず最初に俺たちはここの世界の住人じゃないんだ」
「「「「はぁ?」」」」
サトシのあまりにぶっ飛んだ話に4人は異口同音に言葉を発した。
それ以外出てこなかったともいえる。彼らのそんな様子にサトシも少し考える素振りを見せる。そして、何か思いついたように手をポンと叩いた。
「例えば、今俺たちがいる世界がこれだとする」
そう言ってサトシは目の前に手をかざすと目の前に球体状にされた液体が出現した。4人はその異様な光景に声も出せずに見いった。それは何もなかった空中に突如現れ、浮いていたからである。
「そして、これとは別の、リノやマリがいる世界がこれだとする」
また一つ空中に球体状の液体が姿を表す。何が起こっているか分からずただ見いるしかない4人を置いて、サトシはどう説明したら分かりやすいかなーと首を傾げながら説明を続けた。
「二つの世界は互いに干渉しあうことはない。だから世界に住んでいる人々は世界が自分たち以外にあるとは知らない。今の君たちのように。けれど、全部の人間が知らないと言うわけではないんだ。」
そう言ってサトシは翳していた手を動かして二つの球体を近づけさせた。
「世界同士の距離感は俺たちも詳しくは分からないけれど、さっきもいった通り干渉しない位置にあるのが普通なんだ。だか、まれに干渉してしまうことがある」
二つの球体が接触すると、お互いが弾かれるようにして離れた。その時、球体が歪み始めた。
「このように干渉してしまうと、世界に影響が出てしまう。そして、世界の中では竜巻とか大雨とか様々な異常気象に見舞われる。少しの干渉ならそれで収まるんだけど、収まらないときもある。そうした場合、誰かが世界の歪みを調整したり、支えたりしなければいけないんだ」
世界も生きてるからねとサトシは言った。
何の話が始まったのか分からず完全に聞き役と化していた4人はサトシの説明に首をかしげるだけだった。
そんな4人にサトシはますます困ったような顔で説明を続ける。
「えっと、例えば世界というのを家に例えると、家に住んで生活している君たちと家という建物を支える柱みたいなのが必要なんだよ」
「・・・では、その柱が失われれば家が、つまり世界が崩壊するということか?」
「うん、解釈はそんな感じで大丈夫」
サトシが笑顔で頭を振っている。クラピカは何か考え込むようにして顎のしたに拳を作っている。なんでこの話をするかは分かっていなくても、レオリオとキルアもサトシの言いたいことはなんとなく分かったのだろう。キルアは難しい顔をしているが今のとこ特に問題がないから先に進めと圧力をかけているようだった。しかし、ゴンには難し過ぎたようで頭から煙が出ていた。ゴンの様子にサトシは困った顔をして、翳していた手の手首に着けていたリストモニターをゴンに渡した。
「これ何?」
「情報伝達機器。それ着けると、俺の話す情報が整理されて頭に入ってくるから着けてていいよ」
「んなもん聞いたことねえぞ!どこで買ったんだ!?」
「つーか、今起こってる状況からして何一つ聞いたことないことばっかりだけどな」
サトシの言葉にレオリオは驚いてゴンの持っているリストモニターを見ている。