狩人
□星と月とハンターたちの宴X
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「今、その杖どっから出した?」
単刀直入に聞いてくるキルアにどうごまかそうか悩んでいると、畳みかけるようにキルアが言葉を紡いだ。
「それに・・・さっき、尋常じゃない殺気を感じた。今、リノから一瞬だけど、さっきと同じ殺気が漏れてた」
キルアはこちらを探るような視線を向けていたが、頭の回転が速いキルアのことである、殺気の主が私だと確信しているだろう。
そうなればヘタな言い訳は逆効果にしかならない。ふっと息をつく。
まぁ少しくらいならいいか。
「キルアの言うとおり殺気は私が放った。監視されてるようだったからね」
短い返答。
嘘は言っていない。
あとはどう取るか、キルア次第だ。
私の返答にキルアは少し考えるそぶりを見せたが、府に落ちない表情のまま杖を見た。
納得はしていないけれど、それよりも気になるのがこれなのか。
視線で先を促してくるキルアに苦笑いをしながら答える。
「これについては企業秘密。と答えたいところだけれど簡単に説明するなら、この杖は私自身ってことかな」
「・・・はぁ?」
私の言葉にたっぷり3秒かけてキルアがすっとんきょんな声を上げた。
目は半目で「こいつ、バカなのか?」と顔に書いてあるのがありありと分かる。
想像通りの反応に思わず噴き出した私にからかわれたと思ったのかキルアが顔を赤くしてどなった。
「・・・いいたくねーなら、素直に言えよ!!」
「ごめんごめん」
「どっちに対してのごめんだよ、それ!」
憤慨するキルアを宥めつつ顔がにやつていたのでキルアから抗議の視線を頂いてしまった。
むう。
嘘は言ってないのに、なぜ私が責められる。
まぁ肝心なこと何一つ話してないで結論だけ聞けばそうなるのは織り込み済みだ。