Nice to meet you!

□つまりこんなお話
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「サユー!見て見て、昨日こんなの部屋で見つけたんだー!」

「はいはい、どしたのー?うわっ、懐かしー···。」


登校してホームルーム前のちょっとした空き時間。
アミティは教室に入ってみんなに挨拶すると、勢い良く私の所に飛びついてくる。
まぁこれももはやお決まりというか、私も慣れてきた。

片手に握られていたのは昔の写真。
そこには、今よりも幼さのある私とアミティが写っていた。
記憶が正しければ、出会って数日しか経っていない頃の写真だ。
魔導学校入学の後、撮った覚えがある。


「そんなに前のことじゃないのに、すごく昔に感じるなー。アミティもなんか幼いしね。」

「そういうサユだって、この写真じゃちっちゃいもん。」

「あはは、まぁねー。ねぇ、もっとなかったの?」

「えっとねー···他にも何枚かあったよ。」


そう言ってアミティはカバンをあさり、そこから数枚別の写真を出した。
初めの写真と同じ頃に撮られたであろう、クラスメイトのあどけない様子が写っていた。
こうやって見てみると、いつも会っている友人だからこそ新鮮味を感じる。
でもその写真からは変わっていない雰囲気も伝わり、とても面白い。


「なんかみんな可愛いなぁ。やっぱり成長してるんだね。」

「あら、お二人とも何を見ているんですの?」

「あ、ラフィーナ。昔の写真だよ!懐かしいよねー。」


ラフィーナは気になったのか、机の向こう側から話に混ざってきた。
アミティがラフィーナの写っている写真を差し出すとそれを受け取り、懐かしいと一言こぼしていた。


「この頃の事、あんまり覚えてないなぁ。どんな経緯で仲良くなったんだっけ?」

「確か、私とサユは出会ってすぐに、ぷよ勝負をした覚えがありますわ。」

「あ、なんか思い出してきた。」

「あたしはー···いつの間にか仲良くなってた気がするな。」


この話をきっかけに、私はみんなと初めて会った時のことをだんだんと思い出してきた。
今まで気に止めていなかったけど、こういうちょっとした事で、ふと思い出して見るのも悪くない。





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