Nice to meet you!

□魔導師のタマゴの少女との出会い
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「つっかれたー···。何だったの、アイツは···。」

「ぐぐー?」

「んー、平気平気。」


なんとかサタンからは逃げることができた。
最近、今日以上に本気で走ったことはないだろう。
カーバンクルは私を心配してか、顔を覗き込んで鳴いたので、それに返事をする。
もっとも、心配しての鳴き声だかは知らないけど。


「あ、カーくん!やっと見つけた!」

「ぐっぐー!」

「ぅわっと···。」


少し離れたところから、女の子がこちらを指差し、大きな声で言っていた。
カーバンクルは私の肩から飛び降りて、その子の元へと駆け寄った。


「じゃあ、貴方がアルル?」

「あれ?なんで僕の名前を···。」

「ぐぐ!ぐぐっぐー、ぐっぐぐーぐ。」

「え?ふむふむ···。」


まさか、アルルはカーバンクルの言っていることがわかるのか。
不思議がっていたアルルも、カーバンクルの説明らしきものを聞いて、理解をしていっているようだ。
私には、その会話の内容が全くわからないけど。


「なるほど。サユがカーくんをここまで連れてきてくれたんだね。ありがとう!」

「いやいや、大したことじゃ···私も楽しかったし。」

「それとサタンが迷惑かけたみたいで、ごめんねー。あとで僕が言っておくから。」


本当にカーバンクルの説明で、何があったか分かったようだ。
名前までしっかりと伝わっている。

それにしても、カーバンクルも大いに気になるが、アルルはこの辺りで見かけない。
どこか別の街からやってきて、はぐれてしまったとか?
だったらサタンも一緒に来たのだろうけど、すごくあしらわれていたのなんだろう。
あしらったのは私だけど。
あれはカーバンクルが、と少し言い訳を入れる。


「アルルたちはどこから来たの?この辺じゃ見かけたことないし···。」

「それが僕にもよく分からないんだよねー。どうやら、違う世界みたいのんだ。」

「····わーお。」

「僕なりにいろいろ戻れる方法を探してるんだけど、ぷよ勝負をすればもしかしたら、帰れるかもしれないんだ。」

「なるほど、ということは···それじゃあ、早速?」

「挨拶替わりに、ぷよ勝負!」


意気投合、その後は二人でぷよ勝負に熱中した。
再戦したり、途中でカーバンクルも参加したり、長いこと勝負をしてた。





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