暗殺日記

□1日目
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「と、思うのですが、どうでしょうか?」

「ずいぶん、唐突な相談ね···。」

「唐突で申し訳ないです。」


休み時間になるやいなや、片岡さんの元へ駆け寄って相談をした。
話した内容は、先ほど私が考えてた事だ。
片岡さんは女子の学級委員だし、暗殺に対しても中心となっているので、相談する相手として適任だと思う。
話を聞いてくれた後、少し考えてから答えてくれた。


「暗殺にするに越したことはないけど、鈴音って単独でやることが少ないからなぁ···。」

「虚を衝けるかもしれないけど、自信ないんだよねー···。」

「みんな各々、計画立ててるようだし、それの手伝いすればいいんじゃない?参考にもなると思うよ。」

「みんなの暗殺かぁ···。」


そう言われて思い出してみると、中村さんやカルマ君たちは、単独で暗殺をしようとしてる時が多い。
いつもは、今日もやってるな、くらいにしか思っていなかったけど、今こうやって考えてみると、尊敬できる程だ。
今の私には、単独で殺すなんて行動力も無いし、作戦もない。
みんなの手伝いをしていれば、その内出来るようになるだろうか。
一先ず、今の私はゆっくりでもいいから、実行することが必要だ。


「ちょっと難しいけど、頑張ってみる。」

「···なんか、意外だね。鈴音が自分から参加するなんて。何かあった?」

「と、特に何もないよ。ただ、みんなを見てたら、私も何かしないとかなって思って···。」

「そっか。きっとみんなも喜ぶだろうし、他の人にも声を掛けてみるといいよ。」

「喜ぶ···?」


疑問に思って聞いてみたら、片岡さんは微笑みながら頷いた。


「鈴音が自主的に、加わってくれるのが嬉しいんだよ。」

「私なんかでも、人手が増えると便利だから···かな?」

「そう言う事で良いんじゃない?いつか分かるからさ。」

「そういうものなの?」


結局はぐらかされてしまった。

私が急に頼み込んで、みんなの暗殺を協力させてくれるだろうか。
まず私には優れた能力もないし、今のままではとても役に立てると思えない。
せめて、みんなの役に立てるくらいの能力が欲しい。
今からじゃ遅いだろうが、少しでも暗殺の能力を上げる努力をしてみよう。


「昼休み、またみんなで奇襲する予定だけど、鈴音も参加する?」

「早速?!い、いや、私にはまだ早すぎる···。」

「言うと思った。準備できたら、いつでも言ってね。」


私がするべき準備といえば、やはり暗殺の基礎的な動き。
烏間先生の授業である程度は覚えたが、まだまだ足りない。
授業以外で、覚える機会を作るしかない。


「ありがとう、片岡さん。私なりに、何とかしてみる。」

「頑張るのはいいけど、無理しない程度に。慣れない事して、体壊したら意味ないからね。」

「分かってますって。でも、いろいろ迷惑かけたらごめんね。」

「そんなの気にしてたら、暗殺なんて出来ないって。むしろ、どんどん皆を巻き込まないと。」


今まで参加しなかった私には、よく分からない考え方かもしれない。
みんなに迷惑をかけないように、と思うことが多いから、巻き込むのは無慣れだ。
暗殺の技術だけじゃなくて、精神的なところも鍛える必要があるかもしれない。





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