暗殺日記
□13日目
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お昼休みに久々に、みんなで暗殺バドミントンを開催する事になった。
今回は2チームに分かれて、15点先取で勝ち。
人数の問題で、私は審判を兼ねながら、点数を付けをしている。
試合の合間に皆が交代してくれて、ちょくちょく試合には出させてもらえた。
「鈴音ー、そろそろ交代する?審判代わるよ。」
「じゃあ、お願いしようかな。不破さん、ありがとう。」
「いいって、このくらい。それより、点決めてよね!」
「あはは···頑張るよ。」
応援されたからには頑張らないとだが、男女混合でナイフ成績上位者の集まる中で、点を決めるのは難しい。
ひとまず、着弾させないようにサポートに回る事とした。
互いに点を取らせまいと粘り、なかなか点差は広がらないが、僅かにこちらがリード。
13対11となり、刺突をすればこちらの勝ち。
その中、相手から斬撃の回ってきた。
「鈴音、チャンスボール!上げて!」
「了解!岡野さん、パス!」
「まっかせてー!」
「うわっ···!しまった!」
向こうから来たボールを、斬撃で岡野さんに向けて上げ、それを岡野さんは刺突で着弾。
こちらに3点入り、16対11で勝利。
ちなみに、負けた方のチームが片付けをやる、という話を先にしておいたので、片付けは相手チームにしてもらった。
その間、勝利チーム内で試合を振り返って雑談をしていた。
「岡野さん、最後ナイスアタック。あれはなかなか取れないよー。」
「いやいや、鈴音が良いところにトスを上げてくれたからだって。」
「それこそ偶然だよ。私、ナイフ成績良くないし···。」
「でも前より動き良くなってるよね。キレが出たっていうのかな。」
「そ、そうかな···ありがとう。」
良くなった、褒められると照れくさいものだが、それよりも嬉しい。
それにナイフ成績上位の岡野さんに言ってもらえると、その喜びも増す。
自分で言うのもなんだが、最近は授業もいつもより真面目に、自主練もするようにしている。
その成果が現れているようで嬉しいし、もっと頑張りたくなった。
もっとも、岡野さんのように柔軟な動きは出来ないが。
「私は体操やってたからね。それに、体動かすの好きだし。」
「杉野君達もだけど、自分の特技や趣味を暗殺に役立てるって良いよね。そういうのって、何か羨ましいな。」
「鈴音も何かあるんじゃない?暗殺に使える特技。」
「暗殺に使える特技···思い付かない。」
考えてみてみるが、心当たりは1つもない。
しいといえば、今まで暗殺をしていなかったので、殺せんせーに警戒されにくいことだろうか。
その隙に皆が襲撃をする、という作戦に使えるかもしれないが、たとえ二人で話していたとしても、先生は周りに警戒しているだろう。
「その辺はこれから考えないとか···みんなー!今度、鈴音を中心にした暗殺考えよー!」
「お、岡野さん!そんな大きな声で宣言しないで!」
「殺せんせーならロシアに行ってるし、聞かれる心配はないよ?」
「そういう問題じゃなくて···!」
殺せんせー云々ではなく、ただ恥ずかしい。
周りは周りでその話に乗っているし、これはその内実行する雰囲気だ。
岡野さんに引っ張られ、みんなの中に入っていき、その暗殺の話を進めていく。
実行する日は未定だが、今後詳しいことを決めていくそうだ。
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