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□さぁ、戦いましょう
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万事屋一行に出会ってから約2週間。真選組にも大体慣れてきた頃、江戸で大きな問題が浮上していた。
「お前らも知ってるように、この江戸内で麻薬取引が行われている。俺の予想ではこの事件に春雨が関連している可能性が高いと思う」
『春雨…――』
「山崎の調べでは、麻薬は主にターミナル付近の倉庫またはその周辺で取引されているらしい。
麻薬は人を狂わせる。
何としてもその取引を押さえるんだ。
名前ちゃんは一番隊と共に取引が行われる倉庫をあたってくれ。
その他は援護及び情報収集をするように。山崎、お前は今回の件が春雨と関わっていないか探りを入れろ。
――…決行は明日の午前1時!
各自気合入れて行け!!!」
全「『はいっ!!!』」
『にしても麻薬か……。
どこの世界でもあるもんだなぁ…』
「なんでィ、名前のとこでも麻薬はあるんですかィ?」
午前1時まで、私と沖田隊長達は情報収集のために繰り出していた。
『うん、やっぱり高い値段で取引がされるらしいし…テレビでもよく報道されてたよ』
「へぇー…どこでも起こってることはやっぱ同じなん((キキィィィイイイッッ!!…――っと…なんでェあの車……」
町通りを歩いていると、沖田隊長の横をスレスレで走り去った車が一台。
かろうじて走れてはいるが、危ない運転でフラフラと進んでいた。
『……なんかあの車、フラフラしてません?;;;普通の運転であそこまでなるかな……;;;;』
「……――名前、屯所に戻るぜ」
沖田隊長が何か考えこんだと思ったら、急に歩いて来た道を引き返し始めた。
『え、どうしたんですか?』
「…屯所に戻って、パトカーであの車を追うんでィ」
そう言ってさっさと屯所へ脚を進めるので、置いてかれないように私も早歩きで追いかける。
――ザッザッザッ…
『は、早い……っ!;;;
副長とか沖田隊長には…、はぁっ…、気遣い、…ていうもの…っ…知らないんですかっ…!;;;;』
「なんでェ、俺はダイエットに付き合ってやってるんですぜィ?感謝くらいして欲しいでさァ」
『いや、頼んでないんですけどォオオ!?;;;;;』
「まぁ、今回は急ぎだからこういうスピードなんだがねェ。これでも配慮してんだぜィ」
『…え、急ぎ?…ぜー、はー…;;;;;何か…っ、あったんですか…っ?;;;』
「とにかく話はあとだ。詳しい事は車内で話しまさァ」
屯所に辿り着いたころには、私の脚が悲鳴をあげていたがそんなの構ってられない。
そんなことしてたらすぐに置いていかれてしまうのだ。
―ガチャッ、バタンッ!
――ブゥウウンッ…!
……………
『………あの…気になってたんですけど、パトカー乗ってるのに何でサイレン鳴らさないんです?
急ぎなら尚更鳴らした方が皆よけてくれますし、スピードだって出せるのに……』