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□目を覚ませば闇
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――……ピチョンッ…ピチョンッ……











『…―――ん……』





目を覚ますとコンクリートの壁で覆われた部屋にいた。
人里離れた所だろうか、小さく設けられた窓からは物音一つしない。








…―――私は一体………。






『―…っそうだ!私、アイツに連れ去られそうになってそれで……。


…―――ぁー、駄目だ。そっからの記憶がない……』





あの後私は気絶していまい、真選組が押しかけた際の騒動に紛れて連れ出されてしまったらしい。








『…――に、しても……。





……―ここ、どこ…?』







…――とりあえず出口を探してみないと…!






―……ガシャンッ!








『…―――え!?何これ!?;』







立ち上がろうとした瞬間、アイツらが付けたであろう足かせが邪魔をした。
準備もよろしく手錠までされている。







『…――くっそ…!…ぅぐっ…!!…――駄目だ、びくともしない…。


これじゃあまともに歩き回れない…』





―………どうしたらいいんだ…。
このまま待ってるだけなんて……。







その時。







――ギギギィィ……








「…――やっと起きたか、お嬢さん」








『…――――アンタが全部したのか、これを』






ゆっくりと扉が開くと、ニヤニヤと笑いかけるスーツ野郎の姿が。








コツコツと靴の音を響かせてこっちに歩いてくる。









『……これ、早く外しなさいよ』







「おいおいお嬢さん、自分の立場が分かってねぇのか?こっちゃぁその気になればいつだって殺せるんだぜ?」







『―………だから何だっていうのよ』







「―……あ?」







『…――みっともないわね、アンタ達。それでも男なの?

下らない物に手を染めて…あの運転手のように、用が済めば殺してしまう。

……アンタ達は…―人の命をなんだと思ってるの!!!』





「…――――」





―――…パァンッッ!!






『―……っ…』







「…―うるせぇよ、この餓鬼が。殺されたくなけりゃァ黙って言う事聞きやがれ!!」






私が動けないことをいい事に、部屋に響いた平手の音。じんわりと口の中で鉄の味が広がる。








「…―――さぁてお嬢さん。ここには誰も来やしねぇ。居るのはお嬢さんと俺らだけだ。


―……その意味、分かるよな?」





ニタリと私に笑いかけると、私の頬を妖しく撫でた。





『…――っ!…止めなさいよっ!』





必死に抵抗しようと手を払うように首を激しく振る。しかし、その努力も虚しく髪を掴まれ止められてしまった。






『………い、たっ…!!』







「大人しくしてなよー、お嬢さん。



楽しむ前くらいは傷つけたくないからさぁー…」




―……ベロォ




『…ひっ!!!』






…舐められたっ……!!!
止めて、気持ち悪い!!触らないで!







「…――ほぉー?お嬢さん、ここまで来てもそんな目ぇするんだねぇ?」









『…―――っ(キッ!』









「…まぁ、生意気だけどそういうの嫌いじゃないぜ…?」






……コイツの目は獲物を狙う目…。
こんな物無ければ、こんな奴殴り倒せるのに…っ!!!










「さてと、それじゃあお楽しみと参りますかねぇ?」









『……い、嫌っ!止めて!!』








ついに私の隊服に手をかけた。
少しずつ脱がされていく。






「そーんな泣き顔されちゃあ、逆効果なんだよー?」






…――いやっ、助けてっ!!









――――…誰かっ!!!!








「何何ー?アンタら楽しそうなことしてるねぇー。俺らも混ぜてよ」









「ワタシら、可愛い女の子大好きナンダヨぉー」









「特に、その女の子の笑顔がね」










『…―――――え…?









………銀…………さん……?』









「な、なんだテメェ等!!どっから入って来やがった!!!」








「いやぁー、なかなか通してくれなかったのでぇー…………




永遠に寝てもらいました☆」










「「「てことでぇ〜…











テメェも永遠におねんねしやがれェエエエエエエ!!!!!」」」







――――ドゴォォオオンッッッ!!!!

















『ぎ、銀さん…それに神楽ちゃんに新八……なんでここに……』







――…カチャカチャッ、ガシャンッ!!









「僕たち、仕事の依頼でこの近くに居たんです。それでたまたまコイツらの車見つけた時に意識がない名前さんが連れ込まれてるのを目撃したんですよ」









「ほんとビックリしたネ!怒り狂って捕まえたネコ、にがり潰すところアルヨ!」









「まぁ、初めに気づいたのは銀さんなんですけどね」








『銀さんが?』









銀さんを見ると、頭をくしゃくしゃっとかき乱した。








「……―感謝しろよ、コノヤロォ。
銀さん居なかったらお前今頃どうなってたか……」







『そ、う……だよね…。私…』








本当にそうだ。
もしあのまま助けが来なかったら私今頃………―――。





――ポタッ…ポタポタッ…








「…!…名前さん……」









『ご、ごめっ……!なんか、安心しちゃってっ……。


…ほんとは、すごい、怖かった…っ。1人じゃっ、何もできなくてっ…。沖田隊長にもっ、他の皆にも迷惑かけてっ……。


…――ダメだなぁ私っ……、こんなんじゃっ…真選組の皆さんに申し訳なっ……!』







「…名前……」









不安で押しつぶされそうだった。結局は助けてもらうばかりで、私は何も出来なかった。







――バサァッ







ふと、体に何かがかけられた。
少しだけど人の温度を感じる。








「…――それ羽織ってろ。
そんな格好で歩かれちゃぁ銀さんホントにブチ切れておかしくなりそうだ」








『…―――え…?』








確かに、さっき脱がされかけたせいで隊服は乱れ所々破れていた。






「…――ただでさえ、今コイツ殴り倒したいくらい怒ってっけど我慢してんだ。これ以上、銀さんに油注いだら何するか分かんないぜ?」









「銀ちゃん、ヤキモチアルカ!?」










「いやー、ヤキモチとかそんなレベルじゃないから!もう餅爆発して、飛ぶ寸前まで来ちゃってるから!」








「…まぁとりあえず、ここ出ませんか?名前さんにとっても長居したいような場所ではないですし…」








「賛成アル!さっさとこんなとこ出て酢昆布パーティーするヨロシ!」









「…―――んじゃっ、行くか。(グイッ…―よっと!」







『ひぁああっ!!?////;;;;;;
ぎっ、銀さん降ろしてっ!!////;;;;自分で歩けるからっ!!/////;;;;;;』






立ち上がろうとした時、急に腕を引かれ体が浮き上がったと思ったら銀さんに抱えられた。
いわゆるお姫さまだっこってやつだ。







「怪我人が強がるんじゃありません!いいから黙って運ばれなさい」






『な、えっ、ちょっ!!/////;;;;』






「…――――」



(…―相当悔しかったんだな、銀さん)
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