ミルクティー
□名無しさん【1】
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立海大付属中学入学式。
両親の勧める通りただ受験をし、どんな学校かもよく分からないまま友達と別れて立海への進学を決めた。
そして人見知りな私は早くも後悔し始めていた。
ー皆んなと同じ中学にしておけば良かったかな…。
新入生入場。
渡り廊下から中庭を見ると大きな桜の木の周りには綺麗に手入れされた花壇。
その奥のベンチに肩からジャージを羽織り熱心に本を読んでる男子生徒が目に入った。
ー綺麗な雰囲気…。
「前進んでるよ?」
「あ。ごめんなさい。」
「あの人男子テニス部を王者に導いた部長の幸村先輩だよ♪あんなイケメンとお近づきになれる可能性のある立海女子生徒になれてマジラッキーー♡」
「…。」
「私、風早茜♪よろしくね♪」
「よろしく。私は鳴海名無しさん」
新入生着席。
長ったらしい式典も終わりクラスに着くと皆んな近くの人との雑談を始めガヤガヤしていた。
「お前テニスすげぇんだろ?」
「あ?まぁな。」
「でもここのテニス部には化け物みたいに強い先輩居るらしいからな。1年でレギュラーは無理って話だぜ。」
「先輩?俺が潰してNO1の座手にしてやるよ。」
「うひょーー!笑
すんげぇ自信じゃん!」
ーへぇ。この子凄い。こんなエネルギッシュな人が隣の席って緊張するんですけど…。
「ねぇ!あんた隣の席だから宜しくな!」
「!?」
驚いて隣の席に顔を向けるとさっきの発言には似つかわしくない目のクリクリした美青年がこちらを向いていた。
「聞こえてる?宜しく!!」
「はい!宜しく!」
「俺、切原赤也!」
「切原くんね。私、鳴海名無しさん」
「良かったー♪可愛い子が隣で♪」
「ー///‼︎ー」
「照れてるー!顔真っ赤だよー!」
「の、飲み物買ってくるっ‼︎」
ー中学生になった途端急に男の子が大人になってる気がする‼︎
一階にある自動販売機でミルクティーでも買って落ち着こう。
チャリン、チャリン、ピッ。
…。
?。
ピッ。
…。
壊れてる?
ピッ。
…。
「こうやるんだよ。」
ドンッ。
…。ガシャン。ガシャン。
「お。君、運良いね♪2本出てきた♪」