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□滲む景色
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最近視線を感じるようになってきた。いや、もしかしたらもっと前から感じていたかもしれない。
私には皆のように強くはないし、感知能力が良いわけでもないから、迂闊に動いて刺激してしまったら危険・・・かな。
「あ!ユキちゃんじゃないっスか!悩んでるようだったけど、何かありました?」
と、私が悩んでいるときに後ろからトビくんが声をかけてきた。…視線は人が来たからかなくなっていた。どうしよう、この事話そうかな…
少し躊躇ったけど、
「トビくん…あのね、最近視線を感じるの…。前は気のせいかなって思ってたんだけど、最近はなんだか前より強くなったっていうか…。」
「視線、ですかー…。うーん、それはアジトの中でも?」
「アジトだとあんまりしないと思う…でもたまに感じるの。外へ行くともっと見られてる気がして…」
「アジトでもですか〜。侵入者だったら誰一人として気付かない訳ないですしね〜。・・・うーん、ユキちゃんが好きでやってるとか?」
「だよね・・・。え!?す、好き!?」
まさかのそっちの方向へいきなり行ったことにすごく驚いた。す、すす好きとか・・・!!いやいやいやいやないない!
「え、い、いやさすがにないでしょー!だって暁のみんな以外あんまり話す人いないし!」
「…一目惚れとかありえますよー?だってユキちゃん可愛いんだし!」
その言葉にもっと顔が赤くなった。私にそんな耐性ないから!!悲しいことに恋とか分かんないし!
「ウフフー、あ、そういえば僕デイダラ先輩に呼ばれてたんで失礼しますね!視線のことはこっちでも調べてみまーす!」
「あ、うん!ありがとう!!」
そうして去っていった。…まぁアジトの中だったら安全だよね!