short
□orange enemy
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シュッ
「ユキ!次はこっちの治療を頼む!」
「はい、了解です!」
ユキと呼ばれた木ノ葉隠れの額あてをした少女は優れた医療忍者であった。
別の里へ行き、その里の人達を治療する任務からの帰り、木ノ葉隠れの里への移動中に何者かによって護衛を含む、ほとんどの忍者たちが負傷をしてしまった。
中々の手練だと判断し、ユキの班の隊長は逃げるように指示をした。
追ってこないのを見て、その隙に負傷者を癒していた。
「ぐっ・・・!」
「ごめんなさい、もう少し我慢してください、」
「はぁ…はぁ…いや、大丈夫だ。それよりすまないね、君達の護衛を任されたのにこんな様とは…」
「いえ、逃げる事も大切なことですからね。命は1つしかないのですから」
ユキが一通り治したのを見て、隊長と思われる男が言った。
「…見たものもいるかもしれないが、・・・襲ってきた敵は、あの装束は、恐らく・・・暁だ。」
告げた瞬間場にいた者たちは絶望的な顔をする者、騒然とする者、様々だった。
「落ち着け!…今は追ってきていない。もしかしたら撒いたかもしれないが、油断は禁物だ。ここは砂隠れの里と目と鼻の先にある。そこに一旦避難するぞ。」
「「はっ!」」
何人かは困惑していたが、砂隠れが近いというのを聞き、再び希望が宿り出発の準備を始めた。