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□warning!
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戦へと行く彼らを見送り、無事に帰るように祈り、そして帰ってきたら治療をする。
そんな日々の繰り返しだったけれど、先月に頭領の弟、私の幼馴染みでもあるイズナが何の因果か千手の頭領、柱間の弟である扉間に…殺されてしまった。
私は、私達うちは一族は嘆き悲しんだ。
これは戦。死とはいつも隣り合わせなのは分かっていることだけど、悲しいものは悲しい。
それにイズナとは昔から、幼い頃から遊び相手になったり、イズナが修行で傷ついたら私が治療をしてやったり、泣き虫だった私を心配してくれたりと、本当に世話になっていた。
けれど、兄であるマダラ様はもっと悲しいのかもしれない。いやそうなのだろう。
マダラ様は涙こそ見せなかったが(それとも人前では泣けなかったのかもしれない)、イズナが死んでしまってからとても好戦的になってしまった。元からそうかもしれないが、素人の私が見ても分かるくらい…荒れていた。
「マダラ様、お怪我はありませんでしたか?」
「あぁ。俺は特にない。他の者を見てやれ。また夜になれば奇襲を仕掛ける」
「…畏まりました」
昔イズナとよく遊んでいたから兄であるマダラ様とはたまに会って、たまに遊んでいた。それ以上でもそれ以下でもないと私は今も思っている…。けれど、もしかしたらマダラ様は私のことは覚えてないかもしれない。
昔を思い出しながらまた夜に戦に出る人達の治療をしていた
「…大変でございますね。また、夜に奇襲へ行くと聞きましたが…」
「・・・あぁ、だがいつかは終わるさ。俺たちうちは一族の手でな。それまでの辛抱なんだ。…頭領の右腕のイズナ様まで、亡くなられた。もうゆっくりはしていられねぇんだ…」
「…そうですね、ですが無理はなさらないでください。」
*
次々と治療をしていき、気付けばもう日が暮れているところだった。
「ユキさん、そろそろお休みになったほうが」
と、女中の人が言ってくださる。
けど、まだ治療が終わってない人はいる
「いえ、まだもう少しやります。まだ終わってない人はいますから。」
「ですが、もう夜に出る人は皆終わっています。あとは明日の者でしょう、私たちがやりますから、どうかお休みに…」
…そうだね。言われてみれば、結構の人を治療していた。体を少し重いし、頼もうかな
「…うん、ごめんなさい。ちょっと任せてもいいですか?」
「はい!」
お言葉に甘えて夜まで少しだけ休もう。
自室へと戻り体を倒せばすぐに眠気が襲ってきて眠りへ落ちた
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