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□怪我と手当と
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ガチャ
「おー!さすがユキちゃんの部屋!綺麗っすね〜!どっかの自称芸術家の人とは違いますね〜」
「トビくんどんだけ煽るの…まぁここに座って、治療するから」
本人がいてもいなくても馬鹿にするのは変わらないことにすごく呆れながらベッドの上に座るように言った
「…ベッドの上に、座るんスか?」
すごく不思議そうに言われた
「ベッドに座ってくれた方が高さがちょうど良くて治療しやすいの。あ、椅子が良かった?」
「いえいえいえ!ベッドがいいですー!」
「あ、そう?……色んなところ怪我してるね、痛くないの?」
怪我が目立つところは主に3ヶ所。
まず頭。仮面で隠れてて分かりにくいけど血が滲んでいる。(と言うかデイダラの爆発をくらって仮面はヒビが入っているくらいのことに驚く)
そして背中。暁のマントを焦がし、更に服も破れてチラチラと赤くなった肌が見えて痛々しい。
最後に右横腹。ここも背中と同様で見てて痛くなりそう。
…こんな状態なのになんで平気そうなんだろう。
「んー、特にないっス!」
・・・声からしても別にいつも通り・・・
「…じゃあ傷が深いところから先に治療するね。…ちょっと上脱いでくれるかな?」
「キャーユキちゃん若いのに何をするつもりなのー?」
「!?ち、違う!治療するだけだよ!!へ、変なこと言わないで!治さないよ!?」
「わーそれは困っちゃうなー」
なんて棒読みで言ってる。いつでも冗談を言って来て・・・ハァ、心臓に悪いや・・・
「はーい脱ぎましたよー!」
「じゃあ最初は背中からやるから、向こうむいてて」
意外にも締まってるトビくんの体にドキリとしながらも向こうをむいてもらい、治療に専念した
「あー・・・何となく治っていってる気がするっス〜」
…よし、あともう少しだ!
「ところでユキちゃん、さっき僕の体見て顔赤くなってませんでした?」
「は!!?」
背中を治した所でいきなり言ってきた
「あーれれー??図星なんスかー??」
ニヤニヤしながら(見えないけど雰囲気とこのイラッとする声で。)振り向きこっちを見るトビくんの声を無視して、
「つ、次横腹見るから!!こっち向いて!…治療に集中するから変なこと言わないでね!」
と、早口で言い切った。