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□視力
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トビは無意味だが左眼…というか左眼の位置の所を隠した。



「・・・始めるよー?」



「了解っスー!!」




まずは基本の一番上から。ユキの指したのは左向き。・・・と言っても10mも離れているためものすごく小さい。



…が、トビは密かに写輪眼を発動させていた。ユキが離れているのをいい事に使うトビ。



「左っスー!」


「ムム・・・じゃあ次これ」


真ん中くらいにある下向きを指す


「下ッスー!」


ほぼ一番下にある右下斜め向きを指す


「右下斜めッスー!」


「・・・・・・」



あまりの当たり具合に驚きすぎて言葉を失ったユキ。



次、その次と小さいものを指していくが、全て当てるトビ。


「(トビくんの視力色んな意味で異常あるんじゃないの…!?!?)」



「あら?終わりっすかー?」


なんだか余裕の表情(見えないがなんとなく。)のトビ。声も若干バカにしている気もする



「トビくん目に何もつけたりしてないよね!?何で見えるの…!?」



さすがに疑い始めたユキ




「えー?何もつけてないっすよ〜だから言ったじゃないっスかー僕視力良いってー」



ユキは道具を片付けてトビへと近付いた。もちろんトビは写輪眼をやめて。




「忍者って皆そんなもんなの?」


「まぁ五感は良い方が便利っすね!…って!?何してんスか!?」


「仮面とる!!見たいなその中!」


「本音出てますよ!?」


ユキは最初はさりげなく取ろうとしていたがもう強行突破に出ていた。そしてトビの仮面を取ろうと手を伸ばして引っ張ったが、トビも取られまいと押さえている




「うっ…ンッ、トビ…くん、仮面…とっ・・・て…!」



「たとえユキちゃんの頼みでもそれは無理っス…!(てか声がエロい…!)」



取ろうとふんばっているユキ。トビも取られまいとふんばっている。…が、ユキの無意識に出した、夜の営みを思わせる声に少し力が抜けた




「今だ!えい!」


「あ!!」




***



何故だか力が弱まった隙に仮面を取った!!




そしてトビくんを見ようとしたら、いきなり目の前が真っ暗になり、背中に少し痛みが走り私の上に誰かが乗った



「ハァ・・・まさか仮面取られるとは思いませんでしたよ…」



目を覆っているのはトビくんの手で、私は押し倒されたのか・・・って、え!?




「ちょちょちょ、トビくん!?は、離して!あと退いて!」


「仮面返してくれたらいいっスよー!」


「えー、せっかく取れたのに…」


「返してくれなかったらキスしちゃう♡」


「え!?な、何でそうなるの!?」



仮面はできれば返したくなかったけど…!!いや、でもホントに何でそうなるの!?(2回目)


私が慌てて仮面をどうしようか考えていたら




「はい時間切れー」







トビくんがそう言った時、唇に柔らかい感触がした


***



「…あら?ユキちゃーん?嬉しすぎて固まっちゃった??」





「…ハッ!・・・な、な、な、ななな何し…!?!?ほ、本当にキ、キキキ・・・!!」


「アハハーずっとだんまりだったんでキスしちゃいましたー!」





トビが言った途端に、アジト内に広がった断末魔






「ちょ・・・!?ユキちゃんそんな大声出したら誰か来ちゃう!!」


「わ、私に、キ、キ…キ、ス・・・!?」


だがユキはパニックでトビの声は届いていない




そしてトビの言ったとおり、駆けつけてくる音が聞こえる



「(え、ちょっとマジっスか!?・・・なーんてね!)」



ユキの目を片手で覆っているまま、もう片手で外套の中をゴソゴソ探って出したのは…ユキの手に持っているのと同じ仮面だった。



「何だ今の悲鳴は!?うん!・・・!!?」



最初に悲鳴に駆けつけてきたのはデイダラ。そしてデイダラはトビがユキの目を覆い、上に跨り、ユキの頬が赤く染まっているのを見て当然誤解した。



「何があった・・・・・・!?」
「先程の悲鳴は一体・・・!?」



そしてイタチと鬼鮫も来てデイダラと同じく誤解した




「え、あ、先輩方!これは誤解っす!!違いますよ!?」


必死に誤解を解こうとしたが誰も聞いておらず・・・





「トォオオビィイイイ!!!!!てめぇ許さねぇぞおおおおおおお!!!!」


「貴様、何もしないと思ったらとうとう手を出したな・・・しかもユキに・・・」


「トビさん・・・おちゃらけた人だと思ってましたが、まさかそんな事をするとは・・・」



「え!?!?いやだから誤解ですって!!!」



「言い訳なんか聞くか!!!!」




まるでゴミでも見るような目でトビを見るイタチと鬼鮫。デイダラに至っては激怒している。そして遂に・・・




「ぇぇー…って!?!?うわぁ!?」


イタチがクナイでトビへ切りかかりトビが避ける為にユキの上から退いた。


「な、いきなり何するんっスか!!?」


イタチはそれを無視してまだ混乱中で呆然としているユキを抱えて後ろへ下がった。…タイミングバッチリでデイダラが粘土蜘蛛をトビへ投げつけて・・・





「は!?えちょっとまっ…!!!」


「喝!!!!!!!」




爆発した。










(…ハッ!え、あ、トビくん!?)
(ユキ、大丈夫か、俺が消毒をしてやろうか)
(イタチさん…顔が緩んでますよ…)
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