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□雨と雲
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此方へ体を傾けてきたユキを不審に思い見ると・・・





「スー…スー…」




小さく寝息を立てて、気持ちよさそうに、だが寒そうにしながら寝ていた。




ザーザーと降り続けている、止みそうにない雨を見ながらつくづく思う。


偶には悪くないな、と。






今起こしてもこの雨では洞窟の外へ出るわけにもいかず、どうする事もできないし、何より気持ちよさそうに寝ているユキを起こすのは気が引ける。






***




…ボーッと、いつの間にか止んだ雨の外やユキを見ていたら、腕の中の少女が身じろぎ、一定のリズムで鳴っていた寝息も途切れた。




「起きました?」





「……う、ん?」




「まだ日は登りきってないのでもう少し寝ててもいいっスよ」


「…う、うん、起きる・・・・よ・・・」



声をかけたがすごく曖昧な答えが返ってきた。外を見た感じまだ早朝だろう…。もう少し寝ていても構わないと言ったが、また曖昧に返された。




「…ハッ!・・・と、トビくん…ごめんね、私ずっと寝ちゃってた…」



「いえいえ!可愛い寝顔が見れたし、僕も温まったしで全然へーきっス!」


「!!」




起きて早々からかってやれば昨日の寒さで白くなった顔は何処へやら。真っ赤だった。



「ッ…!…そ、外晴れたね!」




恥ずかしかったのかいきなり話題を変えたユキ。
まぁ今回はいいだろう。




「どうする?皆に心配かけてもいけないし、帰る?」



「…うーん、そっスね。それにちゃんとした所で寝て欲しいですしね。あ、いつでも僕が温めてあげますよ?」ニヤニヤ


「!?も、もう!それはいいから帰るよ!」






***




何度もからかわれながら外へ行くと早朝だけど話しているうちに少し太陽が登ってて、朝露が照らされていて綺麗だった。



「あ、ユキちゃん!見てみて
!」



トントンと肩を叩かれ振り向くとトビくんは空を指さしていた




「?…!虹だ!」



その先には虹色に光る橋があった。





「虹なんて久しぶりに見たっす〜」



「虹って見たらテンション上がらない?」



「僕いつでもテンション高いっすから」



自覚してるのね。まぁいいや!



私は上がったテンションに任せてトビくんの手を取り帰り道へと引っ張り、走り出した









(ちょちょちょユキちゃんこけちゃいますよー?)
(大丈夫!)
(まぁ僕が受け止めてあげますけどね)
(!は、早く帰ろ!)





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