short

□orange enemy
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出発の準備を終えたユキだったが、何かの気配を感じとった。



(?・・・・・・!この気配は!!)




「隊長!!さっきのやつの気配が…」






ザシュッ




「ぐああぁぁぁ!!!」



ユキが告げていた途中に先程治療した男の足にクナイが深々と刺さっていた



「チッ!・・・どうやら少し遅かったようだ…!!皆逃げろ!!とにかく走れェ!!!!」



隊長の男はクナイを刺された男の腕を肩に回して大声でその場の者たちに命令を出した


ユキも逃げる体勢に入ったが、二人を狙うクナイを見て立ち止まった




「!?ユキっ・・・!」



キンキンッ!



ユキは持っているクナイで飛んできたクナイを落とした



「っ…!」



…が、ユキは医療忍者で、戦闘に長けている訳ではないため飛んできたクナイに若干押されてしまい体勢を崩してしまった。



・・・すると突然目の前にオレンジの仮面をつけ、黒地に紅い雲が描かれているマント・・・暁の装束を着た男が現れた



「医療忍術に優れてて、少し戦闘もできるなんて、中々凄いっすねー!・・・だが一時離脱して貰おうか」



そんな声が聞こえ、腕を引かれて前のめりになったときに仮面から覗く紅い目を見てユキの意識は落ちていった。





トサ、と、敵へ寄りかかるようにし、力の抜けているユキを見て隊長は怒鳴った。





「ユキに何をした!!!!」



「あららー?その死に損ないの男、足に刺さっちゃってるー?うーん、急所狙った筈なんだけどなぁ。僕もまだまだっすね!」



「質問に答えろ!!!」



「ギャンギャンと煩い人だなぁ。今から死ぬ人にそんな事教えて何になるって言うんですか〜?」





その言葉を聞いた途端、周りにどさりと何かが落ちる音がした。

周りを見ると、

命尽きた他の護衛していた忍者が転がっていた


「!?な、何で・・・」



足を怪我した男が呆気に取られた声で言った。



「な、ぜ・・・!皆逃げたはずでは・・・!!」



「逃げる?逆っすよ、逆。むしろこいつ等はスパイだったんスよ!この子と…まぁついでにいたアンタを殺すためのね。その持ってる男も一応仲間だったらしいですけど、さっき聞いてみたら"邪魔だからそいつもついでに殺す"予定だったらしいっすよ?」



淡々と残酷なことを言う暁の男に隊長は疑ったような声と目で睨みながら言った



「何を根拠に・・・!!敵の言うことなど信じられるわけがない!!」




「じゃあその死に損ないに聞いてみたらどっすか?僕は別にどうでもいいことだけど。」






「嘘…だろう?あの子を狙う理由が、殺す理由などありはしないだろう…?」




「・・・・・・」



黙り込む男に隊長は確信してしまった。



「何故・・・何故だ!?お前はユキに治療をしてもらっていただろう!??恩をあだで返すつもりか!??」


「…その治療が、医療忍術に優れすぎていることが今回の暗殺の理由なんですよ。・・・でも、俺、彼女に"逃げる事も大切なことですからね。命は1つしかないのですから"って、言われた時に、罪悪感が襲ってきたと同時に、すごく嬉しくて…」




言い終わらないうちに男、そして隊長もろとも蹴り飛ばされた。



「が…!?!」




「良かったっスね。人生最後にユキちゃんに言われた言葉がそれで。拒絶や悲しみの言葉を言われぬままあの世に逝けるんスから。まぁ僕は全く嬉しくないですけどね。じゃ、サヨウナラ」




足を庇いながら倒れる男の首を持ち上げて冷たく言い放った仮面の男は別れの言葉を言い、手に力を込めてそのままバキリ、と、首を折った。


そして隊長のもとへと雑に投げた



「!!」




既に絶命している男の顔を見て隊長は複雑な顔をした




「裏切り者の仲間に殺されるよりまだ見知らぬ僕に殺された方がマシでしょ?」



「命を…っ!!人の命をそんな簡単に扱うなぁあ!!!」



手裏剣を投げて刀を抜き、仮面の男へ斬りかかるが、手裏剣は全て弾かれ、腕を取られて地面へと叩き付けられた



「う、ぐぁ…!!」




「ユキちゃんに当たったらどうするつもり?危ないなぁ」




「ぐ、な、…ぜ、何故、ユキの事を…う、知ったふうに言う…!?」




「さぁ?何ででしょうね?」


そう言いまだ抵抗する隊長の手足をクナイで貫いた




「ぐあああああああ!!!!!」




「まぁアンタはユキちゃんの上司だし、最後くらい答えてあげましょう。」


「ぐ、、う゛、ハァ…!ハァ…!」


隊長は薄く目を開けて耳を澄ました











「なーんてね」





ザシュッ







辺りに血が飛び交い、仮面にも血が付着した。




「敵に期待したらダメでしょー?仮にも隊長ともあろう人が。上司失格っすね!」




と、明るくおちゃらけた感じで言っていたらユキの意識が少しづつ戻ってきた





「…う、…」
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