short

□warning!
2ページ/4ページ




少しばかり体の重みがとれ、目を覚ましたのはすでに部屋も外も闇に包まれたように暗かった。




「…ハッ!そういえば夜に行くと言って…!」



思い出し、まだ出ていないのを信じ玄関の方へ急ぎ足でいった。





「あ、ユキさん!顔色よくなりましたね!しっかり休めましたか?」



あのときの女中が話しかけてくれた。
顔色悪かったのか…彼女はよく見てるなと感心しつつ聞いた



「はい、ありがとうございます、とても助かりました。…ところで、もう、行ってしまいましたか?」



「はい、先ほど出られましたよ。…何かありましたか?」



「…そう、ですか。いえ、何だか胸騒ぎがするから…」



「胸騒ぎ…ですか、・・・ユキさんの勘は中々鋭いですから・・・」



ドゴォォォン



と、女中が言い終わった途端裏口の方でとても大きな音がした




「キャアアアア!!」



「!?何事!?」



「ユキ様!!千手の者が、攻めてきました!!」




千手・・・!?まさか、今宵奇襲を仕掛けるのが分かっていたと…!?


とりあえず、今は後だ、避難か退避をさせなければ!



「…っ!女中や戦えない者は逃げなさい!!そしてマダラ様へ伝えて!!」




私は昔イズナの修行に付き合わされたことが何度かあるため多少は戦える。


武器を取り裏口へと走ってみるとそこにはイズナを殺した、扉間がいた



憎しみや恨みが溢れ出てくるが、抑えてまずは避難させる時間を稼がないと!




「…っ、何故!ここが分かった!!結界だって張っていた筈だ!」



一番前にいる扉間に聞くと、彼は刀を構えながら答えた



「…優秀なスパイがいるからな。その者が結界を弱め、この場所を教えたのだ。」



「ス、パイ…!?」



「ある女中をしているものだ。そやつは千手の者に恩があるらしい。」



と、言い斬りかかってきた。周りにいた人達も中へと入り込もうとしてくる。

私は扉間の一太刀を受けるのが精一杯だった



「(っ、駄目、入られてしまう!)」



「ユキ様!助太刀いたします!!」


「!助かり、ます!ですがどうか、危険だと感じたら…っ!!」



「フン、随分と余裕だな。戦闘中に話すなど命取りだぞ」



・・・っやはり所詮は女と男。それに戦い慣れているものと、そうでない者では勝算など見なくてもわかる



「勝ち目がないと分かっているだろう。何故挑んでくる?」



「・・・貴方は、イズナを殺した。憎いから、よ。」



「ほぅ、逃がすためではないのか?」



「!…感知タイプか…!」



感知タイプ…厄介な人だ・・・、

確かにこれは逃がすための時間稼ぎでもある。けれど、マダラが、マダラ様が戻るまでの時間稼ぎでもある。

それだけは悟られてはいけない



「さすが頭領柱間の弟、ですね。どうせこの作戦を考えたのは貴方でしょう?」


「あぁ、そうだ。・・・もういいだろう。」


ガキン!


「うっ…!」



腕が、痺れてる。きっともう時間の無駄だと思ったんだろう、手加減がなくなってきた。



「千手扉間」


名前を呼ぶとチラリと斬りかかりながら見てきた



「これでも私はうちは一族。…写輪眼を忘れてない?」



「!しまった…!!」


私は先月イズナが重傷で帰ってきて全ての力を持って治療をしたが間に合わず、逝ってしまったのを見て開眼した。


私の目の前にいる男の所為で開眼し、その男で初めて写輪眼を使用した




「……っ…!」



思ったよりこれは体にくるものだった。既に扉間に傷を負わせられ、両腕も痺れた状態だったから、立っているのも正直辛かった。



「私が、イズナの敵を取る…!」

フラリともう一度武器を構えて扉間へと振りおろした










が、扉間は受け止めてそのまま私を貫いた




「ぐっ・・・!!う、ゲホッ…!!」



「写輪眼は初めて使用したようだな…それにしては幻術が強く、中々だったが、俺はイズナと何度もやり合っている。もちろん幻術もな。・・・だが慣れていない女がここまでとは、そこは褒めよう」



「ハァ…っ、げほっ、ハァ…!フ、フ…ッ・・・わ、たしの…っ、勝ち、よ・・・」



「!!まさか、」






風を切る音がして、体から刀が抜かれ、崩れ落ちる前に受け止められた。




「ユキっ!!き、さま…!!!イズナの次は・・・!!!」



「チッ、…お前の狙いはこれだったのか」




「フフ、フっ…!ゴホッ、ハァ…、そ、う…ゴホッ、ゲホッ」



「ユキ!!!もう喋るな…!!」



「・・・今日は退散しよう」



「貴様・・・!!逃がすかァ!!!」





私の体を置き、マダラ様が扉間へと斬りかかるが一瞬で消えてしまった





「ユキっ、ユキ!死ぬな…っ、お前まで・・・!!」




こんなにも焦っているということは、マダラ様は、マダラは私のことを覚えていたと、期待してもいいのかな



だんだん意識が遠のいていく、死んじゃうのかな、イズナの所に、行けるかな…






.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ