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□彼に「別れよう」と言ったら…
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拍手シリーズ企画
〜彼に「別れよう」と言ったら…〜

孫悟空編




「ねえ、悟空…」
「ん?なんだ?」

もぐもぐ呑気に昼食を食べている悟空の正面に座り、深妙な顔持ちで彼を見据える。

疑問符を飛ばす彼は顔を此方に向けはするが、口と手を止める様子は見られない。


「……悟空、私…悟空に付き合ってられない」

俯いてそう静かに呟けば、悟空の方から聴こえていた音がピタリと止まった。

それに気付いてそろっ、と目線を上げるとぽかんと口を開けて目を丸くする悟空が居た。

悟空のことだ、意味が分かっていないかもしれない。
もう一押ししなければ…!

「…悟空、別れよう。もう…悟空と一緒に居たくない」

必死に訴えかけている雰囲気を頑張って醸し出す。

すると、悟空の手からスルリとフォークが滑り落ちた。
ガシャンッと音を立ててフォークがお皿とぶつかる。

「………」
「ご、悟空…?」

目を見開いたまま動かなくなってしまった彼。
少し心配になり、戸惑いながらも声を掛ける。

「……だ」
「え…?」







「嫌だッ!!」


突然、叫ばれた言葉。

バンッとテーブルに手を叩きつけて立ち上がったせいでテーブルは無惨にも真っ二つになり、昼食の数々も床に落ちた。

「悟空、ちょっ」
「オラそんなの嫌だかんな!別れるとか良く分かんねぇけど、おめぇと一緒に居られなくなるなんて嫌だッ!!」

超化せんばかりに怒る悟空にビビる。

ま、まさかこんなことになるなんて…!
悟空のことだから流してくれるくらいに思ってた…。



でも、嬉しいのも事実。

「…悟空、ごめん。別れようなんて言って。私、やっぱり悟空のこと大好き!」

そう言って悟空に飛びつけば、状況が把握出来ずに目を白黒させる悟空が居て、私は悟空の背中に手を回してぎゅーっと抱き着く。

「な、何がなんだか良く分かんねぇけどオラも大好きだ!」

そうすれば悟空も私をぎゅっと抱き締めてくれた。




(おめぇと一緒に居られるんだよな?な?)
(うん、ずっと一緒ね!)
(へへっ!………あ、ああぁぁぁあああ!!?)
(な、何!?)
(お…オラの昼メシがぁぁあああ!!!!)
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