書き物

□徹夜組生前妄想
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──ああもう、何も信じない。



……何も?いや、それは、違うな。
俺は隣で眠るテツヤの頬を撫でた。
痣にまみれた可哀想な、可愛い、俺の弟。

「…怖くない。もう、お前が辛い思いをすることなんて、無いからな」
俺はベッドから起きあがると、枕の下に忍ばせた包丁を取り出した。
手袋をしていない方の手で、テツヤに布団をかけなおす。
「…2人で、生きよう」
俺は部屋を出た。窓からは不気味な程明るく輝く満月が見えていた。
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