カフェ・ギムナジウム

□1.プロローグ
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日本の都会には少々不釣り合いな、ヨーロッパの片田舎にでもありそうな瀟洒な建物。
鉄製の門の向こうは、ビクトリア様式の煉瓦の建物。モールディングの施されたアーチ窓が特徴のその建物へと誘うのは、薔薇の蔓が絡まるアーチ。
それをくぐり抜けると、真鍮の切り文字が見えます。

『カフェ・ギムナジウム』

ここは乙女たちの楽園。
極上の紅茶に、甘い焼き菓子。
それ以上に極上の美男子と、甘い彼らの囁き。

乙女たちにとって、こんなにも夢心地の花園がほかにありましょうか。

甘美で危険なひとときを、このカフェで過ごしませんか?

さあ、白亜のバージボードを冠に戴く、木製の扉をひらいてください―――

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