カフェ・ギムナジウム

□9.禁断の楽園
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『カフェ・ギムナジウム』は一階がカフェである談話室、二階が執務室、更衣室、休憩室、倉庫となっている。
今日の授業を終えた生徒たちが、更衣室で帰り支度をしている。

「あ〜あ、またオススメメニューの配布用のお菓子、切れそうだから買わねーと。面倒くせー」

ロッカーをバタンと閉め、宇佐美ミツキが愚痴をこぼす。

「せめて森田さんが買って置いといてくれればいいのにっ」

「まあ、領収書を持って行けばその分、必要経費として下りるんだからいいだろ。どさくさ紛れに自分で食う分も買えるし」

普段着のジャージに着替えた、神楽坂理央が隣のミツキに言った。眼鏡キャラだが実は視力が両方とも一・五なので、眼鏡はあくまでも制服の一部だ。

「いらねーっすよ。チョコとかクッキーとかキャンディー限定とか。俺、甘い物嫌いだし」

横から剣虎牙が口を出す。

「ミッキーのお菓子目当てでオススメ注文する客が多いからじゃね? 前に注文が殺到して午前中には売り切れ、って伝説作ったほどだしさあ。ネットでも“ミッキーのお菓子、今日ゎチョコだったぉ”なんてさ〜」

「面倒なだけっすよ、虎牙さん。前にネットで“ミッキーに直接あ〜んってしてもらいたい”なんて見た時、こいつキメェって思ったし」

ふくれっ面のミツキを、虎牙は明るく笑って慰める。クールキャラだが本人はいたって明るく、飲み会の盛り上げ役だ。

「ミツキ、俺が買ってきてやろっか? 甘い物食うし」

「鷲一さん、やっさし〜。お願いしちゃおかな」

天羽鷲一は後輩の面倒見もいい。そこは学院のキャラと同じなのだが…

「それバレたら大変だよな。鷲一兄さんは甘い物が嫌いなスポーツマン、だし」
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