ルーピン夢 長編
□トムの願い
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ミユウ side
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時間のズレとは、何のことか。
私の体に、また何かが起こったようだ。
いつのまにか、私は校長室にいた。
また、何かあったのかな。
校長先生は話し始めた。
「ミユウ、君は、トム・リドルに眠らされておった。ハリーと同じ年にホグワーツに入学するように、彼が設定したのじゃ、彼は、本当はハリーに負けることを知っておったから、力と共におぬしも自分が復活したときに手に入れようと思ったのじゃ。」
『え?どういう........』
設定って........
私の人生、設定できるの?
それから、力と共に私を?
私の方は眠らさずに手に入れればよかったんじゃない?!
「でも、ミユウは私とセブルスのことを知っていた」
ルーピン先生が興奮ぎみに言った。
私はルーピン先生のこともスネイプ先生のことも知ってるの?
「そうとも、ワシが1度、ミユウにおぬしたちとの交わりを与えたのじゃ。彼女がまだ0歳のころに、彼女に5歳成長できる薬を飲ませた。それから、トムがハリーに負けたあの日、 ミユウの薬の効果が切れ、ワシによって孤児院へ戻されたのじゃ。」
まだよくわからない........。
薬?
孤児院に戻す?そのまま育ててほしかったよ........
あんなに寂しい思いをしたのに。
「なぜ、我輩たちと交わりを与えたのです?そんなことをしても、こやつのことを覚えてはいない!」
スネイプ先生、私のこと覚えていないんだ。
それじゃあ、私は、誰にも記憶されてないのかな........
「ミユウが覚えていれば十分なのじゃ。いつか、戦争になる。その時にミユウの記憶が必要じゃ。」
『 』
私は、操り人形じゃないわ........
貴方は、私をどうしたいの?
戦争はいつ起きるのか知らないけど、私を使いたいのね........
トムの手助け?
それとも、貴方たちを助ければいいの?
「ミユウは、自分の母親代わりだった大切なリリーの死をみた。リリーはトムに殺された、そのトムを止められるのも、おぬしだけなのじゃよ、ミユウ........。」
そんなの、私がトム・リドルを愛していない限り、恨みしか残らないはずだよ。
『なんで、リリーが死ぬことがわかっていたのに、リリーを助けてくれなかったんですか?校長先生........なんで、トムは私を眠らせたんですか?私は、トムと同級生だったんです?........トムを止めるのは頑張ります、でも、そんなの........愛されてこなかったトムは、皆にいじめられるってことですよね?........可哀想だわ........トムも一人の人間です。』
何が「頑張ります」よ........
バカみたい........
私はダンブルドアだけの命じゃないわ........
「トムに同情するのもいいがの、ミユウ........おぬしは、それ以上に護るものがある。」
『わかってます........』
嘘、何もわからない。
ダンブルドアは私の質問に答えなかった。
そのあとの話を聞くと、
答えはあったのだが........
私の歳はトムの2つ下で、彼は魔法で15歳のときに私を眠らせた。
ハリーが生まれるころに、眠らされていた15歳の私は、どういうわけか、トムの魔法で0歳に戻った。
トムは小さい頃から私と一緒にいて、闇へ進むトムを止めるのは私だけだった........。
それだけだった。
ダンブルドアは私を使ってハリーや皆を助け出す理由を教えなかった。
リリーを見殺しにした理由もーーー
私は、今13歳........
15歳になったら、何か変わるのかな?
もう、眠らされないよね........
独りにならないよね?
『先生........私の目は?』
私の紅い目.............
「生まれつきじゃ........トムと........同じ目をしておる........不思議じゃ.......」
私は、誰の目も見なかった。
誰を信じればいいの........。
苦しい........
皆が黙って私を見ている。
トム................
なんで私を眠らせたの........
どうして私を独りにしたの................
『なんだか、もう思い出せなくて.......』
「思い出したいときに記憶はよみがえるものじゃよ、ミユウ........」
校長先生、私を裏切ったの?
目が熱くなる........
今、紅くなったのかな........?
「どうして、私たちはミユウとの思い出がないんだ?」
ルーピン先生が重い空気のなか口を開く。
「ワシが全てを持っておる........セブルスの記憶も、君の記憶も、........
見たければ、これを見よ。」
小さな瓶........
ルーピン先生は、受け取った。
『................』
ダンブルドアが皆から私の記憶を消したんだ........。
「ミユウ........?!」
私は、ルーピン先生の声が聞こえても、彼の顔をみずに、校長室を出た。
あぁ........
何もない。
何も残らない。
トム........
寂しいよ........
貴方のことを思い出したい.........
私が隣を走って通りすぎる度に、ホグズミードから帰ってきたであろう生徒たちは道を開けた。
「、今の目、なに?」
「誰?スリザリンの子でしょ?」
「蛇みたい。」
「気持ち悪い、あはは」
「わーっ、外に出してもらえないお姫さま」
「あはははははははは」
スリザリンの人はまだ帰ってきてない........
他の寮の人たちの声........
嫌い
嫌い
皆、だいっきらい........
「あはははは、楽しかったね、またいこうねーーー」
「今の子、目が紅くない?」
「呪いでもかかってるんじゃないのーーー」
「気持ちわるくない?」
「近づきたくないよね」
「ね、こないでって感じー」
やめて........
気持ち悪いだなんて、言わないで........
「呪い姫ー」
「あっち、あっち通ってよ!気持ち悪い!」
『、うるさい!!!!!ストゥーピファイ!!!』
一人のグリフィンドール生が物凄い勢いで飛んでいった。
グリフィンドール生が悲鳴をあげ、私の周りから散っていった。
「先生呼んで!誰か!人殺しよ!!人殺し!!!」
一人のハッフルパフの女の子が叫んだ。