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□優しい未来を。
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うっすらと汗ばんだ、
鍛えあげられた滑らかな身体。
恐らく気持ちを表現するのがなによりも苦手な王子様。
ベジータは突如ブルマを両腕で抱きしめる。
「ベジータ?」
「……………。」
無言の抱擁。
だけど早い彼の鼓動が伝わる。
―愛しい…―
それだけが伝わってくるようだった。
ブルマはベジータの背中に腕を回して抱きしめ返す。
「ベジータ、愛してる。」
「………よくそんな言葉を恥ずかしげもなく口にできるな、オマエは。」
「アンタだからじゃない。
愛してるんだもの。何回だって言えるわよ。」
「どうせ軟弱野郎にも言ったコトがあるんだろうが。」
ベジータの言葉に、重力室内が静寂に包まれる。
ベジータがマズイ、と思った次の瞬間
「やっだあ!ベジータったら!!
やっぱりヤムチャに妬いてんじゃないの!!!
かわいい!!あはは、あはははは!!」
「わ、笑うな!!」
拳を握り締めたベジータが怒鳴る。
「ムリ!」
「即答するんじゃねえ!!!」
「はいはい。良いわよ。
アンタがどれほどあたしを想ってるのかわかったから。」
ブルマがウインクする。
ベジータは舌打ちをして重力室からブルマを連れ出した。