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□優しい未来を。
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「あら?ヤムチャじゃない。
久しぶりね。修行、区切りが着いたの?」
ある日の夜のことだった。
ブルマが晩酌していたところにヤムチャがカプセルコーポレーションを訪ねてきた。
二人の関係に終止符がうたれ、ヤムチャがカプセルコーポレーションを出て修行しにいったのはもう半年前になる。
久しぶりの再会にブルマは微笑みながらヤムチャを出迎えた。
ヤムチャは多少なり気まずさを感じていたようだが、ブルマの変わらぬ態度に安堵しながら家にあがる。
「いやあ…まだまだやらなきゃなんないことばかりだよ。
今の実力じゃあ、人造人間なんかには敵わないだろうしさ。」
「そう………あと二年半あるといっても
みんな焦ってるわよねえ…」
「はは、そりゃあ…生きるか死ぬかの世界だからなあ…
そういえば、ベジータは?
まだここにいるんだろ?」
ヤムチャが尋ねる。
「ああ……まあね。
でもアイツ、まだ超サイヤ人になれてないみたいで…」
「いらついてるのか?」
「自分自身にね。」
「危険じゃないのか?」
「別に………?。」
いいながらブルマはグビッとビールを飲んだ。
ヤムチャと別れてから現在、実はベジータと関係を持っていることをブルマはまだ言わずにいようと思っていた。
仲間うちでもトップクラスのニュースになる話だとブルマ自身、自覚していたのだ。
そのあとも人造人間の話や、みんなの近況を伝えながら飲んでいたブルマだが
やがて言った。
「も〜、暗い話はやめて、アンタも飲みなさいよ、ヤムチャ!
ハメも外さないで修行修行って…
アンタたちみんなほんっとにマニアックよ!!!」
「い、いやオレは遠慮しとくよ。
ていうかブルマ、オマエもう結構酔ってるだろ。
そろそろやめとけ。」
「煩いわねえ…
あたしだって、死ぬかもしれないって思ったら、今のうちにいーっぱいお酒飲んでおきたいって思うじゃないの!!
みんなあたしのことなんてほっといて修行ばっかりだしね!」
「そ、そりゃあそうだけど…」
どうしていいかわからずうろたえるヤムチャの前で、涙目のままブルマは机に突っ伏すとやがて静かな寝息をたてはじめた。
「お、おいブルマ!
こんなとこでねるなって……………」
ヤムチャが言いながらブルマの肩を揺すった時、バンッと大きな音を立てながらドアが開いた。
ヤムチャが目をやると、そこにはベジータが立っていた。
地球に住みはじめた当初はブルマたちに着せられ散々なセンスだった服装が、どこかまともになっている。
黒のVネックを始めとする落ち着いた配色の服装は、何故だかベジータにぴったりだった。