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□あいつのコトだ。
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クリリンの言葉にベジータはまだどこか納得していないような表情をしていたが


やがてフンッと鼻をならして言った。




「………妙な女だ。

頭はいいみたいだが、気が強くてとにかく面倒だ。」


「そ、そこが可愛いんだよ、ブルマは!」



恐怖を精一杯押し隠したヤムチャが言う。

それをベジータはギロリとひと睨みして黙らせた。


そこに不思議そうな表情でクリリンが割り込む。



「でも…意外だな。

ベジータ、お前がそうやって他人のことについて知りたがるの。

今まで地球人なんかこれっぽっちも気にかけてなかったじゃないか。」


「俺様がおとなしくしているからといって、貴様らも随分付け上がっているようだな……。

いいか、忘れるな?人造人間だかなんだかしらんがカカロットもろともぶっ飛ばしてとっととこんな星とはおさらばしてやる。」


「あぁ〜ら?随分な物言いね。

散々世話になってるくせにその恩返しくらい、したらどうなのよ。」




三人が驚いて振り向くと、紅茶をのせたトレーを持ってこちらに歩いてくるブルマの姿があった。



「なにいってやがる。俺のおかげで貴様ら地球人は人造人間の手にかかって死なずにすむんだぞ。

感謝してほしいのはこっちのほうだ。」


「はいはい。死ななかった時にはちゃんと感謝してあげるわよ。

みんなだけじゃなくて、アンタも頼りにしてんだからね。しっかりやってくんなきゃ困るわよ。

はい、クリリンもヤムチャも、紅茶飲むでしょ?」


この空気にどうしていいのか分からないというような表情の二人が頷き紅茶を口に運ぶ。



「アンタも飲んだら?」



有無を言わさずにベジータの手にカップを押し付ける。

嫌そうに眉をしかめたベジータにブルマは言った。



「そのカップ、ママのお気に入りなんだからね。
壊したらただじゃおかないわよ。

どうせ紅茶なんて飲んだことないんでしょ。味わって飲みなさいよ。」


今まさに、カップをどこかへほうりなげでもしようとしていたベジータは釘をさされてしまい舌打ちする。


仕方ないとばかりに紅茶を口につけた。


うん………悪くはない。



ベジータの眉間のシワが一瞬緩和したのもつかの間にブルマが言う。



「あ、そういえば。

アンタがいるなんてまさか思いもしなかったから紅茶足りなかったのよ。

それアタシの飲みかけだから。」




「ぶ………ッッ!!!!!!!!!」



案の定ベジータは吹き出した。



「なんてもの飲ませやがる!!!!!!

殺されたいか!!」



真っ赤になった顔。

もはやその顔で怒鳴っても、ダレも恐怖を感じなかった。



「ふふふっ。素直じゃないんだから。

ホントは構って欲しいクセに。」



ブルマがにこやかに言ってウィンクをした。

ベジータの気が一気に膨らむ。


「きっさまあ〜!!!!」

「べ、ベジータ!!落ち着け!!」

「そ、そうだ!いくらお前でも女の子相手にそんな………」


ベジータの様子にさすがにマズイと感じ、制止しようとしたクリリンとヤムチャを無視し、ベジータはあっというまに空に飛び上がり遠くに消えた。

それを唖然としたままクリリンとヤムチャは見つめていた。



「あら。言い返さないなんて珍し〜い。」


あっけらかんとしてブルマが言う。

クリリンはそんなブルマを見てベジータとブルマがなんだかんだ同じ家でよくやれているコトをかんじたのだった。



(あのベジータがあんな風になるなんて、さすがブルマさんというか……

もしかすると案外相性がいいのかも。)



そう思ったクリリンの勘が当たっていたことが分かるのは

まだもう少し先の話。



終わり^^
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