銀魂

□出会い
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「だって、大人たちはみんな言うんだ。俺のこと化け物とか。鬼の子とか。」

「は?髪の色と眼の色でそんなこと言われんの?それは随分と見識の狭いバカな大人だね。見た目なんて関係ない、君は君なのにね。」

目を伏せて言う銀時に私は思わず思いっきり嫌な顔をした。

銀時が驚いているが、私は無視して話を続ける。

「出会って間もない私がこんなこと言うのはお節介かもしれないけど、君を嘲る大人たちに悔しいと言う感情があるなら、君はその大人たちとは違う真っ直ぐな信念と心を持った人間になればいい。」

鬼の子と呼ばれ悲しげにうつむいていた銀時が顔をあげる。

「どれだけ血に濡れようが、どれだけ泥にまみれようが確固たる己の信念を、決して折れない己の魂をその体に刻め。あの人にもらったその刀、その身を守るためではなく、己の信じた侍道を、己の魂を守るためにふるいなさい。」

目を見開く彼に私は彼の目を見つめて言葉を続けていく。

「君がいつか大人になって、自分の生き方を誇れるよう、自分自信を誇れるように力強く生きなさい。君は君を嘲る大人たちのようにはなってはいけないよ。どんなに汚れようとも己の武士道を貫き通すのが侍だ。松陽は侍だからきっと君もそれを目指すだろう。ならば、己の信じる侍道を見つけて貫き通せ。君は化け物ではなく、折れない魂を持った侍になるんだ。」

私はそういうとニッと笑った。
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