僕らの心 長編
□甦る
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閻魔の姿が完全に消え
私はくしゃくしゃになった紙を
烏帽子の中にしまった
静かに眠る妹子の唇に
私の唇を合わす
これで、目が醒めてくれたら楽なのにな
妹子は目を醒まさない
さて、行かなくちゃ
「調子丸」
「!太子、もういいのですか?」
「あぁ。…私は何分ぐらいあそこにいた?」
「え?えぇと、10分ぐらい、ですかね」
「!…そうか」
閻魔の仕業だな
「ところで調子丸」
妖
「なんですか?」
私たちの身近にひとり
「あのさぁ」
いるじゃないか
「ちょっとお願いがあって」
妹子に近づいても不審がられない
「?はい」
妹子を簡単に殺せる
「竹中さん、探して」
にっこりと微笑んで
さぁ飛鳥は私の手の中だよ
閻魔帳から逃れても
私の世界からは逃げれまい
貴方の池も、お風呂も
この世にある物
全て
私の物なのだから