text 短編
□何を見る
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それは、太子が僕の家に泊まったある朝のことだった
「妹子、妹子!起きるでおま」
「んー…なんですかぁ太子…まだ外暗いじゃないですかぁ」
眠い
正直寝たい
眠いのも全部このおっさんのせいだ
え?昨日の夜なにがあったか?
…言えないよ
「暗いからだろぉ早く起きろぉ」
「意味わかりませんから…だいたい今は12月、寒いんですよ…」
「むぅ…起きろ!」ばさっ!
「ぎゃぁ!?」
太子に布団を剥がされた
やめろ寒い
寒いーーーーっ
「た、太子…このアホがぁ!布団返せ!!」
「やーだよ!妹子が布団とばっかり仲良くしてるからだろ?」
ぷぅ、と頬を膨らませる太子
「そんなの関係ないでしょ!?僕は寒がりなんですよ」
「知ってる!ほら」
手を差し出される
「は?」
ほげぇ、としてると手を握られた
暖かい
「行くでおま」
そのまま引きずられて
外、へ____
寒い寒すぎて倒れそう
「ん、見てみ。妹子」
太子が指差す方を見る